百。
一つ一つ集められた物語は、
百集まることによって、また新しい形が生まれます。
たぶん、このシリーズで百物語の楽しさを知ったのだと思います。
一夜で百話を語り尽くすおもしろさは
「女たちの百物語」「男たちの百物語」が、教えてくれたのですが
それはまたの機会に。
このシリーズには、因果関係がわかりやすいもの。
キツネかタヌキに化かされたようなもの。
何だったのかわからないもの。等々、
奇妙で、不思議で、ぞっとする話がたくさん収められています。
うたう百物語 Strange Short Songs (幽ブックス)
- 作者: 佐藤弓生
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 単行本
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百年に渡る奇妙な味の短歌と、
そこから生まれた掌編百話。
見開き2ページにおさまるような長さの物語に、
密かな息づかいを感じました。
この歌からこの物語が生まれたのか、と掌編を読み、
この物語はこの歌から生まれたのか、と短歌を読みます。
読み返す度、違うものが印象に残る本です。
中国の怪奇譚を紹介するメールマガジンから、
生まれた本だそうです。
もとが客観的な記録であっただけに、
簡潔で分かりやすい文章なのだけど、
わかりやすいオチも解釈もないので、
キツネにつままれたような気分になりました。
その分、あとを引きます。