乗用車について、ほとんど知識がありません。
車のメーカーを知らない、分類を知らない、
最寄りのガソリンスタンドがどこにあるかは知っていても、
ハイオクとレギュラーがどう違うのかを知らない。
知識がないとどうなるかというと、
車について解像度が低くなるというか、認識がすごく雑になります。
だから私の中での車の分類は、
4人くらい乗れるのと、8人くらい乗れるのと、
あとはバスやトラック・・・というくらいで、車が好きな人には
怒られそうなのですが、そんな私でも免許を持っていて、
しようと思えばいつでも運転できると思うとぞっとします。
今日は、交通事故がおこる本を紹介します。
深夜の交差点で衝突事故が発生。信号を無視したのはどちらの車か!?死んだドライバーの妹が同乗していたが、少女は目が不自由だった。しかし、彼女は交通警察官も経験したことがないような驚くべく方法で兄の正当性を証明した。日常起こりうる交通事故がもたらす人々の運命の急転を活写した連作ミステリー。
「東野圭吾公式ガイド」によれば、自分の
「交通マナーへのこだわりがいろんな形で反映されている」
本だそうです。
密かな努力が意外な形で結果を出す、犯人への因果応報感
あふれる「捨てないで」や、煽り運転を扱った「危険な若葉」が
印象に残りました。
2019年の交通事故は全国で38万件、そのうち死者は3千人。
自分がいつ、その1人になるかもわからないものだと思いました。
これを読んで、交通事故鑑定人という職業を知りました。
交通警察とはまた別なんですね。
元レーサーの環倫一郎が、カリフォルニアを主な舞台に、
車の破損やタイヤの跡など、現場の違和感から
そこで何がおこったのか、交通事故の真実を暴きます。
客観的な事実を元に、理詰めでその時何が起こったのか
納得させていく様子は、理系ミステリともいえるかも。
単行本のおまけページを見るに、作者も車が好きなようです。
事故を起こしたら運転する人もショックだけど、
運転される車の方もショックなのだろう。
そう思ったのは、この本を読んでからです。
聡明な弟・亨とのんきな兄・良男のでこぼこ兄弟がドライブ中に乗せたある女優が、翌日急死! 一家はさらなる謎に巻き込まれ…!? 車同士が楽しくおしゃべりする唯一無二の世界で繰り広げられる仲良し家族の冒険譚! 愛すべきオフビート長編ミステリー。
あらすじにもあるように、この物語の語り手は車なのです。
とはいえ、勝手に動くことはできない。
それが誰であろうと、運転手の指示に従うほかない。
車ができるのは、「排気ガスがとどくくらいの範囲にいる」他の車と
話して、思いを巡らすことだけ。
「事故を起こした車は、少なからぬショックを受けるものだ」(p14)
「人間が危険な運転をしている際、車はたいがい目を瞑り、
気絶しているのだ」(p43)
など、車視点で語られる自分たちの話にはリアリティを感じて楽しく、
車の運転で言えば、「人間は二つのことを同時にできない」という
部分が印象にのこりました。
実験するまでもなく、僕たち自家用車はみんな、知っている事実だ。携帯電話で話をすることはできる。そして、携帯電話で話しをしながら、運転することもできる。ただ、携帯電話で話しながら運転をしていると、横から飛び出してきた自転車には対応できない。(p215)
ダイアナ妃の死亡事故、隣人の趣味、通りすがりの車と運転者・・・
小さなエピソードが絡まりあって、
静かに謎が開かれてていくような感じがありました。