絵本といえば、名前通りに絵を主としたものが多いのですが、
写真をメインにした絵本、というのも結構あるのです。
こんな賞もありました↓
本の中の世界が、絵とはまた違うかたちで立体的にあらわれるところが好きです。
今日はそんな絵本について紹介します。
わたしと、なおみ。
わたしのうまれるずっとまえからそばにいるなおみ。
わたしはなおみに語りかけ、一緒に絵本を読んで、海を眺め、けんかして、看病する。
人形と少女、ふたりきりの世界。
女の子と同じくらいの大きさに見えるなおみの目が、
ときどき人間のように見えて心がざわめきました。
奥付によれば、モデルは石岡祥子さん。
名前で検索してみると、ドイツで陶芸をやっている人が出てきたのですが、この人なのかな・・・
また、他のブログではこんなことを書かれていました。
福音館書店のHPには次のような説明があります。
・人形「なおみ」は、加藤子久美子(かとうじくみこ)氏に、この絵本のために作ってもらった。
・人形が身につけているものはすべて、古い正絹の本物。
・舞台の西洋館は、昭和初頭に建てられたもの。帝国ホテルの設計で有名なライトの弟子、遠藤新氏設計の邸宅。
・小道具の写真立て、時計、絵はがきは、いずれも谷川俊太郎さんからお借りしたもの。
さらに、谷川氏自身がこの人形について語った文も。
以下引用。
そう言えば私には人形を主人公にした写真絵本もあった。名をなおみというその人形は背丈九五センチの縫いぐるみだが、初めて見たとき背筋がぞくっとしたほどなまなましかった。作って下さったのは加藤子久美子さん、作るのに四ヵ月かかったということだ。
「人間そっくりのすがたかたちをもっていながら、人間とはちがって生れも育ちも死にもしないもの、いわば凍りついたような時間を生きている人形というものと、やがておとなになるなまみの少女、そのふたつの存在の交流と対比のうちに、時間をとらえることはできないだろうか――」
そんな着想で作られたこの絵本『なおみ』は、絶版になったいまでも、時折懐かしがってくれる人に出会う。
この本の表紙にあるぬいぐるみを見られる機会があって、
周りをぐるぐる巡ってはいろんな角度から眺めました。羊毛フェルトなのかな?
いろんな生き物が、カカオカーで競争します。
その生き生きとした姿に見入ってしまいました。
写真を撮っているのは、動物写真家の先駆けイーラ(カミーラ・コフラー)。
岩合光昭の本で知った人です。
白黒写真と、動物の距離の近さがおもしろい本でした。
表紙のようにアヒルがカメの上に乗っていたり、
犬の隣にたたずんだり、チンパンジーと遊んでいるようだったり。
鳥は顔に筋肉がついていないので、表情があまり作れないそうですが、
どことなく満足そうに見えました。