唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

写真が楽しい絵本を読みました。~谷川俊太郎「なおみ」、今井昌代・ヒグチユウコ「カカオカー・レーシング」、 マーガレット・ワイズ・ブラウン「せかいをみにいったアヒル」

絵本といえば、名前通りに絵を主としたものが多いのですが、

写真をメインにした絵本、というのも結構あるのです。

こんな賞もありました↓

shashinehon.jp

 

本の中の世界が、絵とはまた違うかたちで立体的にあらわれるところが好きです。

 今日はそんな絵本について紹介します。

なおみ (日本傑作絵本シリーズ)

なおみ (日本傑作絵本シリーズ)

 

 谷川俊太郎「なおみ」

わたしと、なおみ。

わたしのうまれるずっとまえからそばにいるなおみ。

わたしはなおみに語りかけ、一緒に絵本を読んで、海を眺め、けんかして、看病する。

人形と少女、ふたりきりの世界。

 

女の子と同じくらいの大きさに見えるなおみの目が、

ときどき人間のように見えて心がざわめきました。

 

奥付によれば、モデルは石岡祥子さん。

名前で検索してみると、ドイツで陶芸をやっている人が出てきたのですが、この人なのかな・・・

また、他のブログではこんなことを書かれていました。

 

kazeandsoraand.blog.fc2.com

 福音館書店のHPには次のような説明があります。

・人形「なおみ」は、加藤子久美子(かとうじくみこ)氏に、この絵本のために作ってもらった。
・人形が身につけているものはすべて、古い正絹の本物。
・舞台の西洋館は、昭和初頭に建てられたもの。帝国ホテルの設計で有名なライトの弟子、遠藤新氏設計の邸宅。
・小道具の写真立て、時計、絵はがきは、いずれも谷川俊太郎さんからお借りしたもの。

 

www2d.biglobe.ne.jp

さらに、谷川氏自身がこの人形について語った文も。

以下引用。

 

そう言えば私には人形を主人公にした写真絵本もあった。名をなおみというその人形は背丈九五センチの縫いぐるみだが、初めて見たとき背筋がぞくっとしたほどなまなましかった。作って下さったのは加藤子久美子さん、作るのに四ヵ月かかったということだ。
「人間そっくりのすがたかたちをもっていながら、人間とはちがって生れも育ちも死にもしないもの、いわば凍りついたような時間を生きている人形というものと、やがておとなになるなまみの少女、そのふたつの存在の交流と対比のうちに、時間をとらえることはできないだろうか――」
そんな着想で作られたこの絵本『なおみ』は、絶版になったいまでも、時折懐かしがってくれる人に出会う。

 

 

カカオカー・レーシング Imai Masayo Artworks

カカオカー・レーシング Imai Masayo Artworks

  • 作者:今井 昌代
  • 発売日: 2017/10/10
  • メディア: 単行本
 

今井昌代・ヒグチユウコ「カカオカー・レーシング」

 

この本の表紙にあるぬいぐるみを見られる機会があって、

周りをぐるぐる巡ってはいろんな角度から眺めました。羊毛フェルトなのかな?

 

犬に猫。タコにイカひとつめちゃん

いろんな生き物が、カカオカーで競争します。

その生き生きとした姿に見入ってしまいました。

 

www.1101.com

 

 

せかいをみにいったアヒル

せかいをみにいったアヒル

 

 マーガレット・ワイズ・ブラウン「せかいをみにいったアヒル」

 

写真を撮っているのは、動物写真家の先駆けイーラ(カミーラ・コフラー)。

岩合光昭の本で知った人です。

 

 白黒写真と、動物の距離の近さがおもしろい本でした。

表紙のようにアヒルがカメの上に乗っていたり、

犬の隣にたたずんだり、チンパンジーと遊んでいるようだったり。

鳥は顔に筋肉がついていないので、表情があまり作れないそうですが、

どことなく満足そうに見えました。