はじめて縫ったししゅうは、スヌーピーのクロスステッチキットでした。
ボタンをつける、とか穴をふさぐ、とかの必要があってのぬいものとは違う、
やらないといけないことではない手芸に興味をもって、
今でも時々ちくちく縫っています。
縫い目をそろえたり、糸の色を変えたり、
ていねいな作業がそのまま見た目につながるので、集中できるような気がします。
なので今日は、刺繍について書かれた本を紹介します。
中国西南部に暮らす少数民族、ミャオ族。 文字を持たないミャオ族は、歌で民族の物語を伝え、刺繍で神々や生活を描いてきた。 その刺繍は、芸術的なセンスと、卓抜な技術で知られる。 綿花や麻の栽培・糸つむぎから装飾まで、一着を仕上げるのに何年も費やすことも珍しくない。世にも美しい刺繍は、王侯・貴族のためではなく、庶民のためのものであり、身近な人を守る魔除けであった。 芸術にまで昇華した貴州省のミャオ族による刺繍をあますことなく伝えるビジュアル書。長い時間をかけてつくられた衣服のように、長く親しまれるように、本書は緑色の糸かがりで丈夫に仕上げた上製本です。
佐藤雅彦・瑞代夫妻によるこの本は、
二人がこれまで収集してきたミャオ族の古布、
特にししゅうを施された布や衣服を紹介しています。
単なる装飾としてだけではなく、民族としてのアイデンティティともいえる、
お守りでもある刺繍。
布をびっしり埋め尽くすようなししゅうと、一目の細かさ。
整っているけれど機械のものではない縫い目が、印象に残ります。
また、「覚え布」についても。
これはししゅうのデザインや技法を布にさして記憶しておく
スケッチブックのようなもので、そこには確かに、針をとった人がいたんだと
誰かがいたことを感じました。
常滑にある博物館は、長期休業中のようですが
再会したらぜひ、行きたいと思っています。
では、小説内に出て来る刺繍をかたちにしています。
登場人物の縫っていた図案はこうじゃないかな、という再現。
物語には出てこなくても、そこにあったかもしれない刺繍。
刺繍の描写がある小説の文章に、図案も入って、充実しています。
読んだことのある本を紹介されていると嬉しいですね。
グレゴリ青山「手芸中毒」では、手芸について漫画で語っていました。
縫い欲の強い筆者が自分で作ったり、本やコンテストを紹介したり。
実家がバック製造を行っていたことから、手芸と経済についても書いています。
来年は書籍化されるとか。
室生犀星の詩集の挿画もしていたんですよ。
今年もいろんな記事を見て、本を読みました。
2025年も、本を読んでいきたいですね。
来年もよろしくお願いします。