を読んだので、今日は藝大についての本を紹介します。
私がはじめて芸大というものを知ったのは、
投稿雑誌「ファンロード」に連載されていたレポ漫画でした。
作者が予備校で働いていたときのエピソードを、今でも覚えています。
受験の後に、今年のテーマはエロスだったと生徒に聞かされて、
「私は隠喩たっぷりにバラを作りました 瀬戸内寂聴の「花芯」のイメージで」
「渋いなおまえ・・・」
という会話がありました。
当時は瀬戸内寂聴が誰かもろくに知らなかったのですが、今言葉にしてみれば、
具体的なもの、ここでは「花芯」という小説をイメージして作ろう、
と考えられるのはその小説について知っている人しかできない。
見てきたものやしてきたこと、自分とつながっているものが多いほど
作れるものの範囲は広くなる。自分の知識ができることを広げていくのだ・・・
ということを感じたからなのだと思います。
最近は「藝大受験ものがたり」も出版されましたね。
こちらは3浪して、東京藝術大学デザイン科に合格した著者の体験談です。
勉強して、浪人して、アルバイトして、予備校に行ってと、
どういうことをしてきたか感情の揺れ動きと共に描いていて、
行きたいけど受験が怖い、否定されるのが怖いというところには
こちらにもダメージが入ってきましたが、
「試験は明日だというのにー私は早く次の絵が描きたくて仕方なかったんだ」
といえるのは、自分でそうすることを選び取ったのだな…と、
感じ入るところがありました。
続巻があるなら、藝大での日常を知ってみたいと思いました、が
やっぱり知りたい人はたくさんいるようですね。
そんな藝大での日常は、こちらでちょっと教えてくれます。
絵画、彫刻、工芸、音楽、声楽、建築、映像・・・
1から何かを作ることが日常である人たちのインタビューです。
されている人の名前も一緒に書いてあるので、検索してみるとまた楽しいです。
それぞれの受験、学科の概要、作品制作・・・
同じ大学でも、学部が違えばすることも全然違う。物の見方も、感じ方も、
形にするやり方も違う。その違いが、読んでいて楽しいです。
漫画版もまた、良いです。