ぼくらの町に、怪物たちが、やってきた。
先日3冊目の絵本「怪物園」を出版した画家のjunaidaは、
伊坂幸太郎「逆ソクラテス」の表紙の方でもあります。
まずはこちらのインタビューをどうぞ。
この絵本は、ページをめくるごとに現実と空想の世界を行ったり来たりします。怪物が出てくるのが空想の世界かと思ったら、実は怪物たちの方が現実。子どもたちが巻き起こすことの方が空想。現実と空想が逆転しているという作りになっています。しかも、通常なら空想の世界を描いたときには、そこに行ったまま、空想の物語が展開すると思うんです。でも、この本では何度も現実に引き戻される。その不思議さや怪しさというんでしょうか、そういう感じが出たらいいなと思って描きました。
静かに道を歩く怪物と、家の中で遊ぶ子供。
その2つはどちらも否定されることなく、
かといって友達になることもなく、少しだけ接してまた離れていく、
その距離感がいいと思いました。
「Michi」を最初に読んだときは、日本の人だとわかりませんでした。
ひとりの少年とひとりの少女が、真っ白い道に導かれて進んでいく字のない物語・・・
なのですが、1ページの中の情報量が多い。
ぱっと見て、きれいだなって思って、次のページをめくってもいいんだけど、
縦横無尽に町中を通っている道を目でなぞって、そこにいる人や家をみつめていくと、
どこまでもその世界を楽しんでいけます。
それは「の」でもそうで、ポケットの中から生まれる世界の広さに驚きます。
「の」はいつも、ことばとことばのすきまにこっそりいます。でも、ふだんは目立たない、この「の」には不思議な力があったのです。その不思議な力がことばをつなぎ、ことばとことばが思いがけない出会いをはたしたとき、そこには見たこともない景色があらわれ、聞いたこともない物語がはじまります。「わたしの お気に入りのコートの ポケットの中のお城の いちばん上のながめのよい部屋の 王さまのキングサイズのベッドの……」。「の」は「わたし」と「王さま」を、「猫」と「太陽」を、「ここ」と「あそこ」を、「いま」と「むかし」を、そして、「あなた」と「わたし」をつなぎます。「の」は「ことば」と「ことば」をつなぐことで、「物語」と「物語」、「世界」と「世界」を橋渡しし、そうしてつながった、物語や世界は、それぞれがかぎりないひろがりを持っています。さあ、この絵本を開いて、不思議な「の」が導く、終わらない旅に出かけてみませんか。
ポストカードでもバッジでも、アーティストのグッズを買うことで、
そのアーティストが次の絵を描くことの、作品集を作るためのお金ができる、
ということを改めて感じました。
いいと思ったものは作者にお金が入る形で買いたいな、
言葉にしていきたいな・・・と思います。
京都のお店「Hedgehog Books and Gallery」にも、いつか行ってみたいですね。