唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

オランダについて書かれた本を読みました。~いしいしんじ「アムステルダムの犬」、 有栖川有栖「幻想運河」、赤瀬川原平「フェルメールの眼」

オランダの正式名称が、ネーデルラントとなったそうです。

知らなかった・・・

ネーデルラントが正式「オランダは国名ではない」と政府が宣言 - ライブドアニュース

 

日本とも何かと縁の深いオランダですが、

私の中のチューリップと風車というイメージから

一歩脱却させてくれたのは、やはり本でした。

今日は、オランダについて書かれた本を紹介します。

いや、ネーデルラントですね。

 

まずは、著者が犬の着ぐるみ姿で売ったというこの本。

アムステルダムの犬

いしいしんじ「アムステルダムの犬」

www.webdoku.jp

 似顔絵を描いては売り、

ガンジャを楽しみ、街をぶらついて、一匹の犬に懐かれる。

そんな、アムステルダムでの日々。

読んでいると、とても長いことのようでしたが、10日もなくて、

時間が違う流れを持っているようでした。

出会う人々は層が厚く、書かれているのはひたすらに

楽しいことばかりで、幸せな気分になりました。

 

幻想運河 (実業之日本社文庫)

 有栖川有栖「幻想運河」

 

大阪とアムステルダム、2つの水の都でおこるバラバラ殺人事件。

話のメインは事件なのだけど、謎を解決して一件落着ということはなく、

どこか幻想的で、雲をつかむような印象がのこります。

 

著者の弟夫婦がアムステルダムに住んでいて、

案内してもらったときに生まれたイメージを膨らませて

生まれた話だそうです。

オランダ、ネーデルラントのことだけではなく、

水の都といわれたもう一つの都市、

大阪についてもちょっと知ることができました。

 

そしてネーデルラントといえば、この画家の出身地でもあるのです。

[新装版] 赤瀬川原平が読み解く全作品 フェルメールの眼

赤瀬川原平「フェルメールの眼」

 

 フェルメールは、17世紀ネーデルラントを代表する画家の一人です。

ゴッホより200年ほど前の人ですね。

残した作品の少なさもあり(36点!)、妻が亡くなった後は

ずいぶん長い間忘れられた存在になっていたそうです。

 

この本では、1点1点の作品についての紹介と、

著者の感想が書かれていて、

「いい」絵のどこがいいのか、

それほどでない絵と何が違うのかわかります。

 

当時はヨーロッパの市民の間にも文通が広まりだしたころだった、

とも書かれていて、それを思うと手紙を書いていたり

読んでいたりする絵にも違った趣きが感じられて、 

本も絵画も、眼にする時期によって

見せる顔が全然違うものだと思いました。楽しかった~。