唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

解剖、解体、分解する本を読みました。~ 佐藤卓「デザインの解剖」、トッド・マクレラン「分解してみました 現代人のためのテクノロジー解体新書」

 

 佐藤卓「デザインの解剖」

本書では、コンビニエンス・ストアーやキオスクなどの店頭でよく見かけるロッテ・キシリトールガム(粒タイプ)にどのような工夫がなされているのか、表面グラフィック・デザインの考え方から入って、一般的にはあまり語られることのない素材の断面など、深いところへ入り込んでいく。

 

1冊について1つの工業製品、ここではキシリトールガムを細かく分解していくことで、

製品の成り立ち、デザインを理解していく本です。

一言でいえば、「こんなふうになっているのね」。

 

ロゴは、バーコードの大きさは、印刷は、個包装の紙は、粒の大きさは、色は、形は、

ガムの感触は、材料は・・・と、あらゆることがあらかじめ考えられている。

当たり前のことだけど、1つ1つ説明されていくと、その工程の多さに驚きました。

膨大な数が作られる商業製品として、いかに無駄なく、買い手にわかりやすく、

実用性を高めるか、まるごと工夫のかたまりでした。

このシリーズは全4巻で、フジフィルムの写ルンです、タカラのリカちゃん人形、

明治乳業のおいしい牛乳についても紹介されています。

そうなるかもしれなかった名前の候補を見ると、ここで世界が分岐した…と思ってしまいました。

www.tsdo.jp

 

分解してみました

分解してみました

Amazon

トッド・マクレラン「分解してみました 現代人のためのテクノロジー解体新書」

 

本書では、デザインの代表作ともいえる製品を分解し、ひとつひとつの部品を並べて撮影した。掲載されている製品は全部で50種で、分解された部品総数は、21,959 個にもおよぶ。テクノロジーの進化は、もののサイズを小さくしたが、同時に、その構造を複雑にした。小さいものが、少ない部品で作られているとは限らない。普段使っているものの機能や構造・複雑性にあらためて気付かされると同時に、すべての部品が規則正しく並べられている美しさに、目を奪われること必至の写真集。

 

ものづくりや観察の重要性、サスティナブルなあれこれについての文章も書かれていますが、

一番楽しいのは製品の中身が整然と並び、あるいははじけるように写真に撮られた様子です。

シャープペンシルは16個、ホチキスは31個と、部品の数が紹介されています。

それが多いのか少ないのか、ちょっとわかりませんが

カメラやアコーディオンになると、少しづつ違う形の歯車や部品が組み合って、

その1つ1つが必要不可欠なものなんだなあ、と不思議な気持ちになりました。

無駄がないのに、こんなに複雑。

www.businessinsider.jp

 

そしてタイトルに惹かれ、今はこの本を読んでいます。

リディア・デイヴィス「分解する」