唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

幽霊の出てくるミステリーを読みました。~ 有栖川有栖「濱地健三郎の霊なる事件簿」、赤川次郎「怪談人恋坂」

幽霊や怖い話といえば夏のもの、という印象があります。

8月のうちに、そんなミステリーを紹介します。

 

 有栖川有栖「濱地健三郎の霊なる事件簿」

 

心霊探偵・濱地健三郎には鋭い推理力と幽霊を視る能力がある。事件の加害者が同じ時刻に違う場所にいる謎、ホラー作家のもとを訪れる幽霊の謎、突然態度が豹変した恋人の謎……ミステリと怪談の驚異の融合!

 

この世界では幽霊がいて、人間に何かしらの影響をもたらす。

ということを前提とした、ミステリーです。

book.asahi.com

 濱地健三郎が仕事と恋愛感情をごちゃ混ぜにしたり、助手の志摩ユリエが

差別や嫌がらせを受けたり、社会からプレッシャーをかけられるような、

つまり読んでいてストレスになる描写がほぼなくて、

安心して霊の怖さと、探偵の推理に没入できました。

 

kadobun.jp

有栖川有栖で、幽霊といえば、「幽霊刑事」も好きです。

宝塚でミュージカルにになってたんだ・・・!

kageki.hankyu.co.jp

 

 赤川次郎「怪談人恋坂」

 

謎の死をとげた姉の葬式の場で、郁子が伝えられたショッキングな事実。その後も郁子のまわりでは次々と殺人が起こって……不穏な事件は血塗られた人恋坂の怨念か。生者と死者の哀しみが人恋坂にこだまする。

 

この本の主人公、郁子ははじまりの時点で9歳。

そして、それから7年後に事件が再び動き出します。

<序><破><急>の章立てや演劇的な場面が楽しく、

まとわりつくような怨念にぞっとする、母の愛と呪いの小説だと思いました。

 

けっこう、赤川次郎の書くホラーが好きです。

自選恐怖短編集にディストピアなら「東京零年」、サスペンスなら「白い雨」

オカルトなら「我が愛しのファウスト」と、幅も広くて。

 

こんなシリーズも出ていたんですね~。

www.choubunsha.com

 

と、記事を書いていて思い出した小説があります。

主人公である語り手は、はじまりの時点で死んでいます。誰かに殺されたのです。

そこに天国からのお迎えが来るのですが、

誰にどうやって殺されたのかわからないままでは死ぬに死ねない。

そこで・・・時間を戻してもらうかその場面を見せてもらうかして、

自分を殺した犯人は誰か推理する、という短編でした。

作者やタイトルは覚えていないのですが、あらすじレベルでの内容やエピソードは覚えている。

そういう本や漫画は、他にもいくつかあります。

縁があったらまた読めるでしょう。