唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

服についての本を読みました。~ 久世番子「神は細部に宿るのよ」、大田垣晴子「日用服飾事典」

新井素子が、エッセイでこういうことを書いていたんです。

たしか、吾妻ひでおのイラストがかわいい「ひでおと素子の愛の交換日記」

手元にないので記憶で書くと、

 

自分は時々、インタビューとか受けて雑誌に載る。それで、写真を見た人から「いつも同じ服着てますね」っていわれることがあるんだけど、そうではないのよちょっと聞いて。

うちでは猫を飼ってるから、毛が目立つので黒っぽい服は着られなくて、タートルネックとか首もとがぴったりしている服は息が詰まりそうになって、手首のあたりが広がっている服はよくしょうゆとかひっかけてこぼしちゃって、チクチクするのが嫌だから着られない素材もあるので、改まった席では似たような感じの服になってしまうんだけど、どれも違う服なんです。

 

ということからはじまっていたのですが、

すごくわかる・・・と、終始うなずきました。

私は猫は飼っていませんが、ぴったりした服は息苦しくなって

ちくちくするとずっとむずがゆくて、落ち着かないのです。

今日はそんな、服についてのこもごもを書いた本を紹介します。

 

 身近なファッションについての漫画では、

久世番子「神は細部に宿るのよ」が好きです。

 流行りについていけないオシャレの川下在住、番子さんとその周りの人々による、

「被服と暮らしのちまちました」お話です。

 

いつのまにか似たような色の服ばっかり買ってしまう、

好きだけど似合わない服をどうするか、

タンスに服を入れることが面倒で、ふわっと放置…

もう、あるあるとうなずきっぱなしです。

作者の久世番子は、内澤旬子「着せる女」にもちょっと登場していて、

また違った様子が見られます。

 

漫画でファッション、といえば ヤマシタトモコ「裸で外には出られない」

も好きなのですが、登場人物が口をそろえて「ファッションってわかんない!」

と言っていて、安心します。

何が似合うか迷走するのは、自分だけじゃないんだなあ。

 

 大田垣晴子「日用服飾事典」

実はわたし、美術大学に行っていて、ファッションデザインコースを専攻していた

のだが、一期生だったということもあり認知度が低かった。

というか世間的にファッション=オシャレ、流行追っかけみたいな軽いイメージが

あるのだと思う。

でも世の中のあらゆるものの動向もつまりは流行でしょう。思い軽いにかかわらず。

ファッションとは時代を見ることなのだ。

 

ABC順に、服飾に関する雑学をたくさんのイラストで紹介しています。

身近なもの、歴史上のもの、親世代が着ていたようなもの。

2002年の本なので、今の流行とはまた少し違いますが、知識ゼロでも楽しく読めます。

それで言えば、紹介した本は全部そうですが。