結局、大人といっても子供の成れの果て。
「なんで?」と聞かれてもうまく答えられないことだってある。
考えに考えた答えを言った時、大概子どもは聞いていない。
次の「なんで?」を言いたいだけだから。
でも、これだけは言っとくよ。
心理はあっても人生に正解などないってことは。
ま、それでも聞いてくれないだろうけど。
みうらじゅん「大人に質問! 『大人ってどのくらい大変なんですか?』」
5歳から16歳の、子どもたちの質問に答えるみうらじゅん。
真面目な遊び方というのか、いなし方というのか、
そういうものを教えてくれます。
「なんで人は生きてるの?」
「死んだらどうなると思いますか?」など、まるで哲学。
そして、「人生楽しいですか?」に対しての
「楽しくなくてもがんばって楽しそうにしていること、それが努力です」
に大人力を感じました。
自分の機嫌は自分でとるのが、大人ですよね。
Q&Aの、Qだけで構成された本です。
365のQ、質問はたとえば
自分の名前に満足していますか
Are you satusfued with your own name?
であったり、
三分間で何人にさよならが言えますか
How many persons can you say good-bye to in 3 minute?
であったりと、想像力を刺激されます。
著者は、劇作家の寺山修司の秘書として、マネージャーとして、
公私に渡るパートナーとして、16年間仕事をしていた人だそうです。
このあたり、もっと本など読んでみたいですね。
そしてすごい記事をみつけました~
2002年2月11日午後2時過ぎ、
都内郊外の大型商業施設において重大死傷事故発生。
死者69名、負傷者116名。
未だ事故原因を特定できずー。
理解できるから怖いものと、
理解できないから怖いものがあります。
犬が怖いのは噛まれたときの痛さを想像するから。
人面犬が怖いのは、何なのかわからないから。
この小説の怖さは、理解できる怖さ。
医者と患者、タクシーの運転手と客、友人どうし・・・
質問と答えだけで、その日にその場所で何が起こったのか
じわりと浮き上がる。
質問する方だってロボットじゃないんです。
だから質問と答えが対話になっていったり、
質問する方が追い詰められたりします。
回答する人も、特別な個性を持っているわけではない、
「普通の人」であるから、
その世界に生きてるんだという感じがしました。
こういうことが、どこで起こってもおかしくないのだと。
あれだけの人間が亡くなって、しかも元の原因がちっともわからない。
なのに、みんな、あっという間に忘れた。というか、忘れようとしている。
理解できないものについては、あまり考えたくないんでしょう。
ところには、今に通じるものを感じてぞっとしました。