唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

北海道が舞台の本を読みました。 ~佐々木倫子「動物のお医者さん」、宮下奈都「羊と鋼の森」、沙村広明「波よ聞いてくれ」

初めて静岡を知ったのはちびまる子ちゃんで、

春日部を知ったのはクレヨンしんちゃんで、

北海道を形作ったのは動物のお医者さんです。

どれも小学生のときに読んだものなので、

つくづく最初に読んだものは、印象に残るものだと思います。

 

動物のお医者さん 愛蔵版 コミック 1-6巻セット (花とゆめコミックス)

 佐々木倫子「動物のお医者さん」

H大学受験前、その構内に足を踏み入れたときから、

ハムテルの運命は決まっていた――。

コワイ顔でも心優しいシベリアンハスキーのチョビ、

姉御肌の猫・ミケ、暴れん坊ニワトリや超個性的な

大学の面々に囲まれて、獣医師への門は開かれた――!!

 

 コミックス、文庫版、上の画像の愛蔵版と

バージョンは複数ありますが、

文庫版が解説も合わせて好きです。

綾辻行人が解説を書いていた巻もあって、

それが後々の「月舘の殺人」を生んだのかな~。

 

シベリアンハスキーはこんな顔なのか・・・

犬も熱中症になるのか・・・

よいサイレージはオレンジの匂いがするのか・・・

文部省は予算をくれないものなのか・・・

など、いろんなファーストインプレッションがありました。

 

羊と鋼の森 (文春文庫)

宮下奈都「羊と鋼の森」 

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、

調律の世界に魅せられた外村。

ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、成長していく

青年の姿を、温かく静謐な筆致で綴った感動作。

books.bunshun.jp

恋愛抜きの少女マンガみたいだな、と思いました。

少女マンガって、主人公が周りの人と関わって成長していく要素も

強いと思うので。

 

自分で弾くのではなく、誰かに弾かれる音を作る

調律に惹かれた主人公。

 主人公も、その周りの人も、仕事に、

それはつまり、楽器店の、ピアノの調律の、

ひいては音楽について誠実だと思いました。

敬虔とは、こういう時に使うことばなのかもしれません。

 吐く息が凍り、まつげが凍り、

うっかり口を開ければ喉の奥の気管まで凍ってしまう。

皮膚を刺されるような痛み。

というマイナス30度の寒さの描写は、

著者も北海道に住んでいたからかな、と思いました。

「神さまたちの遊ぶ庭」では、

一家がトムラウシで暮らした1年間が書かれていて、

こちらもおもしろかったです。

 

そんな北海道は広く、

同じ場所を舞台にしていても、ものによってはノリが全然違います。

波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンコミックス)

沙村広明「波よ聞いてくれ」

舞台は北海道サッポロ。主人公の鼓田ミナレは

酒場で知り合ったラジオ局員にグチまじりに

失恋トークを披露する。

すると翌日、録音されていたトークがラジオの生放送で

流されてしまった。激高したミナレはラジオ局に突撃するも、

ディレクターの口車に乗せられアドリブで

自身の恋愛観を叫ぶハメに。

この縁でラジオ業界から勧誘されるミナレを中心に、

個性あふれる面々の人生が激しく動き出す。

まさに、波よ聞いてくれ、なのだ!

 

www.moae.jp札幌に行ったときに、藻岩山へむかうバス停があって、

 自分がいる世界と漫画の世界がつながる感覚をもちました。

  普通にいい人、が全然出てこないところが好きです。

全員クセが強い。そして次から次へ驚くようなことがおこり、

想像した展開にはなりません。

主人公の知らないところでもいろんなことが起こっていて、

これからが楽しみです。

 

「波よ聞いてくれ」原作者・沙村広明先生インタビュー前編「働く女性と恋愛の話を描こうと思っていました」 | WebNewtype

 

放送事業としてラジオがテレビに勝ってる部分が

あるとすれば 4つ

「地域密着性」そこからくる「災害の対応力」「早さ」

そして「自由」だ(3巻、p141)