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唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

バナナワニ園の出てくる本を読みました。

 先日、バナナワニ園に行きました。

伊豆半島の熱川にある、140頭のワニと4000種類の植物がみられる

動植物園。映画「テルマエ・ロマエ」の撮影も行われたそうです。

 

ひなたぼっこしている大人ワニはおきもののようで、

子ワニは水を流してあるプールを這い回り、

生まれて間もない赤子ワニはうろこもまだそれほど固くなくて、

鉤爪は小さくも鋭く、なんていうか、みずみずしい感じがしました。

 

バナナタニ園

バナナタニ園

 

 まるで時間が止まってしまったかのような世界で

ワニたちは眠りこけ、バナナは夏の風に吹かれて

そよそよと葉をそよがせていた。

 

 と、この本で書かれていたような光景でした。

谷郁雄の詩に吉本ばななの写真、寄藤文平の絵が収められた、

ゆっくりめくりたい1冊です。

 

 

物見遊湯

物見遊湯

 

 この本では、ここを「何でもアリの広い敷地」と紹介していましたが

広い敷地の中では、たくさんのワニだけではなく

レッサーパンダが木の上でお昼寝していたり

白黒のマナティーが野菜を食べていたり

植物園で採れた果物がジュースになったりする、おもしろいところです。

この本は、日本全国の温泉イラストルポで

バナナワニ園がメインではないのですが、

湯治であったり、観光であったり、生活の一部であったり、

温泉の個性について知ることができました。

 

おそらく私がバナナワニ園を知ったのは、10年以上前に読んだ

森奈津子の「悶絶! バナナワニ園」(「西城秀樹のおかげです」収録)

でだったと思いますが・・・そのときは実際に行くとは思いませんでした。

西城秀樹のおかげです (ハヤカワ文庫 JA)

西城秀樹のおかげです (ハヤカワ文庫 JA)

 

ヒグチユウコさんの本を読みました。

先日、南青山の「TOBICHI」に行ってきました。

ここは、ほぼ日刊イトイ新聞

「店舗でありギャラリーでありイベント会場でもある」

おもしろい場所なのですが、

そこでヒグチユウコさんの原画展が行われていたのです。

 

初回限定版 BABEL Higuchi Yuko Artworks

初回限定版 BABEL Higuchi Yuko Artworks

 

 

たまたまTwitterで見て、これはいいものだと思ったのですが

本当に、とても素敵な時間を過ごせました。

 

鼻がくっつきそうになるくらい絵に近づいて、隅から隅まで

観察したくなってきて、見ている間ずっと

「うっわあ、うわーうわー・・・」と感嘆の吐息が出ていました。

 

ほぼ日サイトでも、イベントの記念にと

対談「ヒグチユウコさんの世界。」が行われていたのですが

それもまたおもしろいものでした。ボリュームたっぷり。

その中で、「異形のものたちと、異形の人たちに対する平等なまなざし」

がある・・・と言う言葉が印象に残りました。

頭はネコで両腕が蛇で下半身がタコのような生きものがいたり、

1つ目に腕が6本、足はないひとつめちゃんが世界を闊歩したり、

 少女がワニに恋したり。

すきになったら

すきになったら

 

 あなたを知りたくなる。

すきなものをすきになる。

知ってもらいたくなる。

こころがあたたかくなる・・・

 

「すき」という気持ちを描いた、愛にあふれた絵本です。

これからも、ヒグチユウコさんの絵を見つめたくなりました。

 

見ても楽しい、和菓子の本を読みました。

 家の近くにある小さな和菓子屋さんにも

桜もちが並び、お花見のお供として楽しんでいます。

 

それにしても、餡を生地に包む、あるいは甘い生地を形にするという

シンプルといってもいい過程から、

実に多くのバリエーションが生まれるものだと思います。

それを意識したのは、こちらの本でした。

 

わくわく ほっこり和菓子図鑑

わくわく ほっこり和菓子図鑑

 

 

100年以上の伝統あるものから、

 コンビニで売っている、3本一組の串団子まで幅広く紹介する、

和菓子についての楽しい図鑑で、

おいしいお茶のいれかたや、和菓子についてのQ&Aも、

豊富な写真で楽しめます。

 

東京 和のおやつどき

東京 和のおやつどき

 

こちらは東京都内にあるお店の紹介や、

和菓子作りの製作レポート、工場見学など。

写真はもちろん、イラストもかわいいのです^^

 「とらや」の羊羹や「うさぎや」のどらやきを、食べてみたくなりました。

 

イノモト和菓子帖

イノモト和菓子帖

 

和菓子の魅力を存分に引き出しているビジュアルブック。

載せる皿、あしらう物、ライティングや角度・・・

ひとつひとつにこだわったらきりもなさそうですが、

私にも比較的簡単に買えて、食べられるものだということに

不思議な気分になりました。

鳥の形をしたねりきりは、まさにすいーとり。

 

おかしなとり すいーとり

おかしなとり すいーとり

 

「嘘」が印象に残る本を読みました。

今日は4月1日、

ツイッターなどでも、楽しい嘘が振りまかれています。

だから今日は、それにちなんで「嘘」が印象に残る

本を紹介します。

 

 

まず浮かんだのは、こちら。

風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

 

 「嘘つき!」

彼女は間違っている。僕はひとつしか嘘をつかなかった。

 

1970年、夏。

大学生の「僕」と友人の「鼠」、小指のない女の子の物語です。

 

「職業としての小説家」の中に、この小説を書き上げるまでのことも

書かれてていました。

「そうだ、僕にも小説が書けるかもしれない」という感覚と、

そこから書き始め、書き終え、もう一度書いて、応募して・・・という過程。

 

解決されない謎の含まれた物語ですが、

それについてはこちらでくわしく解釈されています。

村上春樹 イエローページ〈1〉 (幻冬舎文庫)

村上春樹 イエローページ〈1〉 (幻冬舎文庫)

 

 

職業としての小説家 (新潮文庫)

職業としての小説家 (新潮文庫)

 

 

 

続いて、こちら。

薔薇を拒む (講談社文庫)

薔薇を拒む (講談社文庫)

 

 施設で育った主人公は、陸の孤島にある屋敷で働き始めます。

秘密があるらしい同い年の同僚と、謎めいた住人、美しい令嬢。

穏やかな生活の中、陰惨な事件が起こり・・・

主人公がつきとおす嘘と、過ごす時間を思いました。

 「少しづつ足元が危うくなっていくような、物語ゆえのはかなさ」

(「あとがきのあとがき」から)

が好きな方はぜひ。

 

それから、こちらは嘘のように思えてもすべて実話。

嘘みたいな本当の話 (文春文庫)
 

 

「聞いたことのない音が聞こえた」「おばあさんの話」

「犬と猫の話」などをテーマに集められた、

誰かの身におきた数々の物語はおもしろく、

謎めいていて不思議で、ときどきぞっとします。

 

妖怪が出てくる本を読みました。

京極夏彦の「鉄鼠の檻」コミカライズを(今日)知ったので、

それにちなんで今日は妖怪の本を紹介します。

 

 

この本では著者が生物学者なだけに、語られる理論は説得力満載で

一つの生き物としての妖怪がしっかりとイメージされます。

 

ろくろ首の首がのびるなら、その仕組みはどうなっているのか。

ゴムのようにのびるのか? それともじゃばら状になっているのか?

人魚やケンタウロスのような生き物は、人間部分とそれ以外の部分が

どのようにつながっているのか?

 

妖怪の生態について、現代の知識を使って解析していく一冊です。

プロが本気でつく嘘は、おもしろい。

 

 

 こちらは、70以上の妖怪を紹介するコミックエッセイ。

生活の中にある不思議と妖怪を結びつけて描いています。

すぐそばにある怪。

 

京極夏彦との関連で言えば、小説にも取り上げられていた

姑獲鳥や塗仏、五位の光なども登場していますよ。

 

本を読む本を読みました。

 

時間のかかる読書 (河出文庫)

時間のかかる読書 (河出文庫)

 

振り返る人はたいていの場合、「振り返っている自分」に酔いがちで、見ているほうは「勝手に振り返れ」と言いたくもなる。大事なのは「成長」だ。人はいつまでも子どもでいるわけにはいかないのだし、成長し、社会化され、それと引き替えにべつのものを失う。あたりまえじゃないか。

 

 横光利一の短篇小説「機械」を、著者が読む。

11年2ヶ月という時間をかけて、読みつくす。

その過程を描いた本です。

こんなにこの話を味わい尽くした人はいないんじゃないだろうか。

 

 

小説に限らず、創作物はなんでもそうだと思いますが、「読む」(あるいは「見る」「聞く」)という行為を終え、作品が心の中に入ってきてからがむしろ本番というか、するめのようにいつまでも噛んで楽しめる。

一冊の本を読むという行いは、ある意味では、そのひとが死ぬまで終わることのない行いだとも言えると思うのです。

 

こちらで対象となるのは、ドストエフスキーの「罪と罰」です。

まずは読まずに、うろ覚えの記憶をたよりに4人が語り、

読んだ後に語る。

読書の楽しみは、読むということが前提としてあるわけですが

そうではない楽しさもあるのだな・・・と、可能性を感じました。

 

また読み返したくなってしまいました。

 

ピアノを奏でる本を読みました。

小説を読む、ということは音楽を聞くことに似ているかもしれません。

 ページをめくるたびに言葉のイメージがふくらんでいき、

おもしろい本を読んだなあ、と満足して息をつきます。

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

 

 ある国際ピアノコンクールの参加者と、

その周りの人を語り手として紡がれる「神と遊ぶ」ための物語。

 

建築だったり、美術だったり、何かしらのよさが、

見ただけではわからなくても

説明された文章でわかる、ということがあります。

それは、その文章を書いた人とイメージを共有することだと思います。

ピアノの大会ですから、ここで扱われるのはクラシック、

私の中で確たるイメージのない分野なのですが、

聞いてみたいと思うのは、この小説の中で生まれたイメージが

素敵なものだったからかもしれません。

 

キャラがかわいい、物語が楽しいで読み終わっても

それはそれで楽しいのですが、

関連するものについても、もっと知りたいと思うのは

もっと好きになりたいからなのだと思います。

 

 

ビビビ・ビ・バップ

ビビビ・ビ・バップ

 

こちらの舞台は、21世期末。

音響設計士兼ジャズピアニストの主人公が

依頼された仕事から始まる、世界をゆるがす一大事。

 

ジャズについてはクラシックと同じく、ほとんど知らないのですけど、

くるくると変わる視点についていくのが楽しく、

スウィングとはこういうものなのかと思いました。

 

そして、著者の他の小説を読むとつながるところがたくさんあって

これも一つの変奏曲のように感じられました。

 この本と他の本が、未来と今が、他の場所と混ざり会う楽しさ。

 

 そして、ピアノの漫画といえばこちらも。

ピアノの森(1) (モーニングコミックス)

ピアノの森(1) (モーニングコミックス)

 

 世界は、音楽に満ちているのだということが

実感できた気がします。