Twitterで見かけて興味を持ち、東京都庭園美術館で行われている
「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」展を見にいきました。
この本は、作者が在住する高知県で
2018年に行われた展示「はるかな旅」の図録でもあります。
1950年代の、戦後まもない東京で、
こういう作品を作っていた人がいたのか、と
目が覚めるような気分になりました。
はじめて見たときの、はっと息を呑むような感覚を、覚えています。
作るとき、わたくし、お座敷で作ったのね。座卓で座って。
障子を開けると、廊下を通して、空と雲しか見えないんです。
そういう家の作りだったのね。高台で、前にお家がなかったのよ。
いつも、作りながら空ばかり見ていました。
何かを見て、美しいと思うことはときどきありますが、
それには2種類あります。
植物や自然の風景、生き物へ対するものと、
鉱物や人形、作られたものの、そこで時間を止めたようもの。
このコラージュの場合は後者で、写真と写真の
思いもしないような組み合わせが、
いくつも世界を生み出していくようでした。
「東京人」でも、与那原恵による記事が紹介されており、
「写真たちは、時間も国も、遠近もない、この世にあり得ない
シュルレアリスムの世界へと連れ去られる。
光射す木立の前に、船倉の瓦礫の中に、豪壮な室内に、
押し寄せる大波のきわに。」というところが印象に残り、
この人が書いた本も読んでみたくなりました。
読みたい本がどんどん増えていきます。
4月7日までの展示なので、ちょっと残り時間は少ないのですが・・・
東京都庭園美術館自体も、また素敵なところでした。
紅葉もきれいだそうなので、今度は秋に行ってみたいですね~。