小西英子「のりまき」がおいしそうだったので、今日はお寿司についての話を。
この絵本は、まきすをしくところから始まるのですが、
あまりにも普段使わないものだから、あれはなんていうんだっけ・・・す、すのこ・・
ちがう、すまき・・・ああ、まきすだ! と、言葉がなかなか出てきませんでした。
まきすの上にノリをしき、ご飯をひろげ、たまごをのせ、キュウリをのせ・・・と、
あなごにしいたけ、エビまではいった豪華なのりまきをつくる絵本です。
1つ1つの食材がリアルで、自分も作っているような気分になります。
「きのう何食べた?」の15巻では、手巻き寿司を作る回がありました。
友人の家に招待されたケンジと史朗が、巻いては食べていきます。
漫画で寿司、といえばYAWARA! でも、印象に残るところがありました。
手元にないので記憶で書けば、
主人公である猪熊柔の同級生が寿司職人の見習いをやってたんだけど、
先輩に腕をけなされて腐っていたところにテレビで柔の活躍を見て、自分もやらねばと
奮起するシーンがあったのですが、その練習に使っていたのがおからとこんにゃくだっ
たのです。
贅をつくした江戸前鮨、食べるほどにたのしい回転寿司、手作りのちらし寿司、郷土のおすしなど、「すし」にまつわるエッセイ32篇。世界中から愛される寿司の真髄にふれるアンソロジー。
こうじゃなきゃいけない、というこだわりは出てくるけれど、
それをどこで出してくるかの違いが、おもしろかったです。
外で食べた寿司がおいしくなかったとして、それをお店に言うのはアリか。
お店があんまりきれいじゃないことは、どこまで味にかかわるのか。
もちろん正解があるわけではなく、読んでいる方はそこから書き手の価値観を見ます。
北大路魯山人の、海苔はこうで酢はこうで米はこうで魚介はこうでないと上等なすし
じゃない、というような文(握り寿司の名人(抄))の次に、
総武線が頭の上を通るガード下のすし屋とか、歌舞伎町にある回転ずしについての
種村季弘の文(東京すし今昔噺)があるところがよかったです。
北大路魯山人って、なんだか美味しんぼみたいなことを言ってるなあと思ったら、
実際に海原雄山のモデルだったんですね。
そんな食通好みの寿司はもちろんそれでいいのだけど、
初めて来る人でも満足できる、というのも大事ですね。
日本語が話せなくても、MAGUROやKANPYOUがどんなものかわからなくても
目の前にそのものが流れてきて、おいしそうならすぐに食べれるすし屋のよさ。
なんだか食べたくなってきました。