唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

箱が出てくる本を読みました~小西七重「箱覧会」、吉田篤弘「おやすみ、東京」、阿刀田高「アラビアンナイトを楽しむために」

箱覧会

小西七重「箱覧会」

大切なものをとっておく箱。

箱を作る箱屋。

誰かに送りたくなる箱。

マッチ箱。

開けたらそのときの思い出がわきあがる箱。

いろんな箱を紹介するこの本は、

私の思い出もかきおこします。

小学校のときに使っていた、丈夫な緑のお道具箱のこととか。

 

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おやすみ、東京 

吉田篤弘「おやすみ、東京」

小道具係のミツキ、タクシー運転手の松井、古道具屋のイバラギ、

倉庫番の前田、名探偵シュロ・・・

東京ではたらく人々の、夜の小説。

人と人が、いろんな物や場所を経由しながら

つながっていく連作短篇集です。

 

ここで登場する箱は、相当に巨大です。

映画を撮影するときに必要な、いくつもの小道具がおさめられた箱、

「この国の過去三百年の生活や風俗をいろどった、

ありとあらゆる細々としたものが保管されている」

巨大な小道具倉庫から、物語ははじまります。

 

アラビアンナイトを楽しむために (新潮文庫)

阿刀田高アラビアンナイトを楽しむために」

箱物語という言葉を、ここで知りました。

ひとつの物語の中で、登場人物が自分の物語を話し、

さらにその中にでてくる人も自分について語り出す。

入れ子細工の箱のように、

アラビアンナイトの中でいくつも語られる物語。

 

あまり知られていない話や、アラビア方面の文化について、

作者が楽しく説明してくれます。

 

そしてミステリーでの箱といえば、それは密室じゃないかと思いますが

それについてはまた改めて書きたいと思います。