そこに出てきた小説を紹介します。
時代で言うと12世紀のイングランドが舞台です。
主人公は薬草園を管理している修道士、カドフェル。
もとは十字軍の騎士でした。
国内では内戦がおこり、国境の向こうからも領土を狙っている陣営がいて、
まさに内憂外患。
そういう時代に、カドフェルは様々な事件に関わっていきます。
作中で使われたトリック自体は、
ある程度ミステリーを読んでいれば途中でピンとくることもあるのですが、
12世紀という時代と、人々の暮らしの描写がいいです。
イギリスの中にあるウェールズという場所についても、
興味がわく小説でした。
修道士、といえば私はこの漫画が好きでした。
青池保子の名前を知ったのも、これでです。
カドフェルの作品から200年ほど後のドイツを舞台にしています。
この本のあとがきにも、その話が出ていて、
有名な小説だったんだな~、と今になって初めて思いました。
スペインでは名高い剣客、
今はリリエンタール修道院で修行するファルコが、
仲間たちと一緒に、降りかかる事件をおさめていきます。
単行本のコメントによれば、
「嘘か本当か分からない何でもありの中世昔話風の世界」。
1990年代から、今もスピンオフ作品が連載されています。
同じ時代に実在した王、ドン・ペドロの生涯を描いた大河ロマン「アルカサル」
も、大変ドラマチックです。
そして修道士は、もちろん日本にもいました。
織田信長統治下の日本を訪れていたイギリスの劇作家シャグスペア。そこで彼が見聞きした謎や事件が後の劇作に大いなる影響と影を与えたというのだが……。「颱風(テンペスト)」に巻き込まれ、シャグスペア一行が漂着したのは琵琶湖に浮かぶ小島。そこには織田信長の兄弟の名乗る老人がいた。老人は魔法を見せるという。ところが衆人環視の湖上の小舟から消え失せ、そこから離れた浜に死体で発見されてしまう。この事件の後、琵琶湖畔で信長の甥の祝言が盛大に催されようとしていたのだが、その前夜に不可解な事件に遭遇する。石牢に閉じこめておいた男が、あたかも「夏の夜の夢」のごとく、いつのまにか牢の外でくびり殺されていたのだ。しかし、この度重なる事件は、最大の政変、本能寺の変を迎えるための前奏曲でしかなかったのだ……。天正マクベスはいかなる真実をさらすことになったのか。各章がシェイクスピア戯曲の「見立て」となった長篇ミステリー。
「れげんだ・おうれあ(LEGENDA AUREA)」がスペイン語に翻訳され、
それを作者が訳した、というかたちになっています。
主な舞台は日本、時代は天正。
織田信長の甥である信耀を中心に、
シェイクスピアの劇を下敷きにした物語です。
始まりの一言からが劇のようで、幕が閉じるように終わります。