唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

お酒とおいしいものの本を読みました。~北森鴻「蛍坂」、石持浅海「Rのつく月には気をつけよう」、菅野彰「おうちごはんは適宜でおいしい」

ようやく涼しくなってきたこのごろ、

おいしいお酒と食事の本を紹介します。

螢坂 (講談社文庫)

北森鴻「蛍坂」

 

 

「この街で、オレを待ってくれる人はもう誰もいない」

戦場カメラマンを目指すため、恋人・奈津実と別れた螢坂。

16年ぶりに戻ってきた有坂祐二は、その近くのビアバー

「香菜里屋」に立ち寄ったことで、奈津実の秘められた

思いを知ることになる(表題作)。

マスター・工藤が、客にまつわる謎を解き明かす第3弾。

 

三軒茶屋駅から路地を縫うように歩くこと五分あまり」

そこに、ビアバー香菜里屋はあります。

シリーズでは「花の下にて春死なむ」「桜宵」に続く3作目ですが、

単体でも楽しめます。

 

度数の違う4種類のビールと、おいしい料理。

そしてワインレッドのエプロンを身につけたマスターが、

客の会話からはじまる謎を解き明かし、

ときにほろ苦く、ときに希望を持った余韻が残ります。

 

お店ではなく、家で飲み、食べるのがこちら。

Rのつく月には気をつけよう (祥伝社文庫)

石持浅海「Rのつく月には気をつけよう」

湯浅夏美(ゆあさなつみ)と長江高明(ながえたかあき)、

熊井渚(くまいなぎさ)の3人は、大学時代からの飲み仲間。

毎回うまい酒においしい肴(さかな)は当たり前。

そこに誰かが連れてくるゲストは、定番の飲み会に

アクセントをつける格好のネタ元だ。

今晩もほら、気持ちよく酔いもまわり口が軽くなった頃、

盛り上がるのはなんといっても恋愛話で……。

ミステリーファン注目の著者が贈る傑作グルメ・ミステリー!

 

生ガキとシングルモルト

チーズフォンデュと白ワインなど、おいしそうな取り合わせが

たくさん紹介されています。

チキンラーメンとビールなら、手軽に楽しめそう。

 

表向きは人畜無害な料理上手、

その実「悪魔が裸足で逃げ出すほどの」頭脳の持ち主、

長江を探偵役にゲストの持ち込む謎を解決していきます。

得られた情報による合理的な結果と、それによる前進が

未来を感じさせます。

 

こちらも家で飲み食いする本ですが、

もっぱら合わせる物は日本酒です。

おうちごはんは適宜でおいしい

菅野彰「おうちごはんは適宜でおいしい」

東北生まれの酒飲み作家が、地産地消で作るつまみ飯!! 

美味しいものには手間隙惜しまない 

著者が描く極上エッセイ♥

 

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会津在住の著者が、東北の食材をお取り寄せ。

地元の日本酒と一緒に、おいしく食べる様子を書いていきます。

海のものはもちろん、山のものもおいしいのですね!

 

このおいしさを多くの人に知ってもらいたい、と

著者が代表に手紙を書き、エッセイを書かせてほしいと

直談判する・・・というはじまりに、

幸せな出会いという言葉が浮かびました。

 

著者のエッセイには、よく飲みよく食べる描写があって

印象に残るのですが、おいしいものを食べると、

自然と食べることも好きになるのかな、と思いました。

震災後の東北についても、ちょっと知ることができます。