唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

1から俳句を知っていく本を読みました。~ 五味太郎「俳句はいかが」、佐藤文香・編「俳句を遊べ!」、本田「ほしとんで」

小説でも日記でも、100年以上前の人が書いたものに

親しみと共感をもつときがあれば、

ちょっとわかんないな・・と首を傾げるときもあります。

それは、今出版されている作品と同じように。

 

明治・大正時代の作家はもちろん、

今でもいろんな作家が俳句を詠んでいるもので、

(川上弘美とか、倉阪鬼一郎とか) ふとしたときに知っては驚きます。

最近では、絵本作家の五味太郎がそうでした。

俳句はいかが

 五味太郎「俳句はいかが」

 

鬼才・五味太郎がおくる、五味流自由自在な、子どもから大人までの俳句への入門書!ことばのあそびとして俳句を存分に楽しむ本。

 

「17文字に表れていないものの豊かさ」を、

存分に感じられる本でした。 

時代のあちこちで詠まれた歌を、 等価にとりあげて紹介しています。

目次からおもしろく、

これが俳句
まずは言葉
あえて五・七・五
なぜか季語
とにかく言い切る
そしてイメージ

と、俳句の楽しさについて書いています。

「どんなことにも、どんなものにも大自然の流れとして

季節を常に感じている、それが季語、それが「歳時記」、

そしてそれが俳句の魅力です」

と、言い切っていて、さっぱりとした気分になりました。

 

自分でも俳句を作ってみたいけど、何も知らない。

どうしたらいいかというときには、こちらです。

俳句を遊べ!: コ・ト・バ・を・ア・ソ・ベ!Vol.1 (小学館SJ・MOOK コ・ト・バ・を・ア・ソ・ベ! Vol. 1)

 佐藤文香・編「俳句を遊べ!」

www.bookbang.jp 編者が中高生に俳句を教えていく中で編み出したという

独自の指導法を元に、

レッスンから吟行、句会、そして俳句のイベントと、

全3回の講座で、1から俳句を学んでいきます。

ここで紹介されていた、打越マトリクス

自分の中の言葉の量を知る意味でも楽しいです。

togetter.com

経験が無くても、なんかそれっぽいものが作れるので嬉しくなります。

この本では、上野動物園で俳句を作り、そのあとで句会をするのですが

それを鎌倉で行うのがこちら。

ほしとんで01 (ジーンLINEコミックス)

本田「ほしとんで」

個性際立つ人が多い芸術学部――その中でも尾崎流星(18)が入ったのは、
強烈な生徒ばかりの「俳句ゼミ」で!? 
切れ字って? 季語って? 淡々とした性格の流星と濃ゆ~い俳句ゼミメンバー俳句は果たして上達するのか。

 

 何て言ったらいいんだろうな、を突き詰めて、

自分の言葉で表現する過程がもどかしくもおもしろかったです。

ちょっと言葉を変えるだけで雰囲気が一変したり、

使われる言葉の多さ、紹介されている句も、

すごく魅力的で奥が深すぎ。

また、登場人物の自意識も見どころの一つです。

周りの反応は気になるし、評価されたら嬉しい。

酷評されたら落ち込む。

とはいえゼミは、自分の名前で何かしら作って発表する場所だし

同じ学部のゼミにいる、という時点で似た者同士。

実際に話しても、心の声でもにぎやかでストレスがたまりません。

 (あるじゃないですか、わかってほしい人に気持ちを伝えないで、

わかってくれないと苦しんだりイライラしたりする展開・・・)

「句会って俳句を通して他人を受け入れる場所だから」

自分も受け入れられてるような雰囲気が心地よかったです。

 

そういえば殊能将之の「美濃牛」でも、

登場人物が俳句を詠むところがありました。

おもしろかった記憶があるので、今度読み返してみましょう。

bookclub.kodansha.co.jp