江國香織 「流しのしたの骨」の語り手である
大学生のこと子は折り紙が好きです。
はじめて作るものでも、やりかたを丁寧になぞっていけば
できあがるところが好き、と言っていました。
私にとってのそういうものは切り絵だと思います。
1から作品を作れるわけではないので、
下絵に紙を重ねて切り抜いていくと、心が静まっていきます。
今日は、1から作られた切り絵の作品を紹介します。
たまたま図書館で読んで、夢中になりました。
ここで描かれているのは空想世界の生き物。
哺乳類、鳥類、昆虫、甲殻類と、種類も様々です。
トンボの一種であるゴクラクトンボは
「しあわせな人のはなうたを主に食する」というような、
こことは違う世界の生き物の、生体についての説明がまたおもしろく、
夢中になってしまいます。
「紙を切ることによって浮かび上がる命。私は生きている線を描きたい」
作品にはデッサンの要素が強い、と書かれていたように立体的で、
1枚の紙から切り出したのかと思うと息を呑まずにいられません。
糸や水をたらしていったようだ、と思いました。
切り絵という言葉は、「モチモチの木」で有名な
滝平二郎によって一般的になった・・・というのも、この本で知りました。
カッターではなく、特別なハサミを作って切り抜いていきます。
どんな切れ味なんでしょう・・・
この人の作品を、 TV番組で知ったのですが、
あえかな、とか優美な、という言葉が浮かびます。
真似できるかな?
精進しましょう。