唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

沖縄について書かれた本を読みました。~よしもとばなな「なんくるなく、ない」、池澤夏樹「アマバルの自然誌 沖縄の田舎で暮らす」、福岡耕造「島の美容室」

今くらいの時期に、石垣島に行ったことがあります。

ほとんどずっと雨が降っていましたが、

冬の雨でイメージするような冷たさはあまりなく、

海も明るい色で、やっぱり南の島なのだなあ、と思いました。

今日は、そんな沖縄について書かれた本を紹介します。

 

なんくるなく、ない―沖縄(ちょっとだけ奄美)旅の日記ほか (新潮文庫)

よしもとばなな 『なんくるなく、ない―

沖縄(ちょっとだけ奄美)旅の日記ほか―』 | 新潮社

  

たくさんの人が集まりすぎて、

おのずと生きづらくなってしまう都市から離れて。

 

1999年から2005年にかけて、訪れた沖縄の島について

何度かに分けて書かれています。

見て、食べて、体と心の全体で沖縄を感じたのが伝わってきて、

沖縄に恋をしているようだと思いました。

 

 観光客はいても観光地ではない、という

波照間島について書かれた部分に

「島焼け」という言葉が出てきました。

台風が来ると、島の真ん中まで波がかぶる。

その後で雨が降らないと、塩分が流されないので植物が枯れてしまう。

それを、島焼けと言うそうです。

 ちょっと検索したくらいじゃ出てこない言葉でした。

広辞苑になら載っているかな・・・。

 

また、

やんばるの原生林では、生命はありのままの形で

気持ち悪くおぞましくからみあっていて、そこでしか生きられない

奇妙な生き物がうじゃうじゃ暮らしていて、

心臓がどくどくいうように、血管が蜘蛛の巣みたいに

全身をくまなく覆っているように、生きている。

 というところで、こちらの本を連想しました。

 

アマバルの自然誌―沖縄の田舎で暮らす (光文社文庫)

池澤夏樹「アマバルの自然誌 沖縄の田舎で暮らす」

 

1998年の暮れから2004年の夏まで、

著者が知念村で暮らしていた間に観察した

周囲の自然について書かれています。

周辺で見かける鳥、地域の草刈り、大量発生したヤスデ、台風、

朝焼けの美しさ・・・

知らない鳥、知らない草、知らない生き物。

「自然を無視して暮らせない日常」での、

知らないものに親しんでいくのが楽しく、

時に失われゆくものがさびしい自然観察です。

誰もがそれぞれのレベルに応じて無知であるのが、

自然を前にした人間の姿なのだろう。

 という言葉が印象に残りました。

 

写真集 島の美容室

 写真・福岡耕造「島の美容室」

 

ここは400人が住む渡名喜島

そこで月の10日間営まれる、島の美容室に来た人や、

島の風景が写された写真集です。

縁というものを感じる本でした。

 

誰かに言われたわけでもない。

自分がやらないといけなかったことでもない。

 たまたま出会い、たまたま知って、ふと行ってみた。

それが続いた。

 

www.qjnavi.jp

初めは信用されず、家も借りられなかった、という文章があって、

外部の人を受け入れることの難しさも感じました。

 

www.okinawatimes.co.jp

 今日の記事で、今年は書きおさめになります。

閲覧、評価などありがとうございました。

来年もゆっくり更新していきますので、よろしくお願いします。