南方熊楠。
1867年生まれの、和歌山が生んだ博物学の巨星と言われています。
記念館のHPによれば、
アメリカ、イギリスなどへ海外遊学。
さまざまな言語の文献を使いこなし、国内外で多くの論文を発表した。
研究の対象は、粘菌をはじめとした生物学のほか
人文科学等多方面にわたり、民俗学の分野では
柳田国男と並ぶ重要な役割を果たした。
生涯、在野の学者に徹し、地域の自然保護にも力を注いだ
エコロジストの先駆けとしても注目されている。
とあります。ちなみに、南方熊楠の帰国と入れ替わるようなかたちで
夏目漱石がイギリスに留学生としてやってきたとか。
その留学時代、19世紀のイギリスを舞台にした小説が、こちらです。
各国の人々が様々な目的から集まるロンドンで、
若き日の南方熊楠が、遭遇する奇怪な事件を
博覧強記の知識と、豪胆な行動力で解決していく。
実際にその時そこにいた人と、架空の人物。
あったこととあったかもしれないことをブレンドして書かれていて、
その時代についても興味が沸いてきます。
そうして遊学のち、南方熊楠は日本に帰国するのですが、
それからの話がこちらです。
1903年の春、那智勝浦で奇怪な少年が目撃されるー。
そのすぐ後に病院から乳児がさらわれ、
南方熊楠と、その弟子が解決に乗り出します。
神話や狐つき、山の民。
民俗学や植物学についてや、意外な人物の登場など、
いろんなところから楽しめ、そして騙されました。
夏の暑さにふっと意識が遠のくような描写や、
「世界は名前からはじまる」というところなども印象に残ります。
また、今年の4月18日には、南方熊楠が主人公の小説
「ヒト夜の永い夢」が発売されるそうです。
新刊が出るぞい。南方熊楠が主人公で昭和のヤベェ奴らと一緒に粘菌コンピューターを搭載した自動人形・天皇機関を作ることになるという、てんやわんやの物語だぞ。二・二六事件も出るから今日に合わせて告知したんだ
— 柴田修理亮勝家 (@qattuie) February 26, 2019
ヒト夜の永い夢 (ハヤカワ文庫JA) 早川書房 https://t.co/g3kkuGYIp0 @amazonJPから
ハヤカワ文庫ですし、SF要素も入ってくるのでしょうか。
読んでみたいですね。