大竹昭子「この写真がすごい」
プロの写真家もアマチュアも、発表された媒体も関係なく選ばれた
「ちょっと気になる」写真。
ただきれいだけじゃない、繰り返し見たくなる、どこか不思議な写真。
そのどこに惹かれるのか、編者が短い文章にしています。
この本が作られるまでの詳しい経緯や、具体的な写真は、
「ほぼ日刊イトイ新聞」の記事にも書かれており、
見ている方の視界さえ変える写真というものについて
考えずにはいられませんでした。
まず写真を見て、文章を読む。
そうして、自分が見ていたようで見ていなかった、
目に写しているだけだったものに気づく。
そしてまた写真を見たとき、印象は変わっている。
そういう詳しさを、もっとつきつめたものがこの本です。
赤瀬川原平「鵜の目鷹の目」
世の中で何が面白いといって、
言葉の届かないものがいちばん面白いのだ。
写真に写っているものを、よくみる。
よくよく見る。鵜の目鷹の目で観る。
たとえば、「木村伊兵衛写真全集」からの一枚。
昭和22年11月16日に、銀座で撮られた写真を見る。
街角で男が2人話しているようなのだけど、
その服装を見る。2人の関係を想像する。
どんな会話をしているのか妄想する。
ここは銀座のどこなのか考える。
映画のポスターに描かれた俳優を見る。小さく写ったガラス瓶を見る。
ちょっとふくらんだ、あれはコーラの瓶?
これは名作と呼ばれる白黒写真を、うのめたかのめで見つめ
おもしろさを発見していく本です。