そもそも日本全体が島国であるわけですが、
そのなかでも当然大きさの違いはあり、それぞれの特色もあります。
場所によっては外国よりも遠い、国内の島。
今日は島について、書かれた本を紹介します。
菅野彰「雨が降っても、生ビール」
6000人の人が住む、鹿児島の与論島。
ここでは毎年、島をぐるりと走るフルマラソン、
ヨロンマラソンが行われます。
「どんな時でも喉が渇いたら「生ビール!」と右手を挙げて来た」
筆者が、ビールより水が飲みたいと思った日のことを中心に
走ることについて書かれています。
それこそ村上春樹のように、
日常的に走っている人も少なからずいるわけですが、
特別走りたいと思わない人が、フルマラソンを走るということは
急にネガティブになったり、
自分の体や能力を実感したり、
格好だけやる気で実力が伴わないのが恥ずかしかったりという
自意識と客観性の戦いでもあると思いました。
どうにかこうにか走りきった後の気持ちや、
自分に必要だったのか? ということについても触れていて、
また読み返したくなる本でした。
赤瀬川原平「島の時間 九州・沖縄 旅の始まり」
韓国に一番近い島──対馬
日本最西端の島──与那国島 のように、
それぞれの島の時間や、自分のルーツに触れる旅のエッセイ。
北の島ならまた違うのだろうけれど、
九州・沖縄の、南の島は
時間がゆったりと流れているような気がしました。
そして、島には猫がよく似合います。
岩合光昭の「島の猫」では、のびやかな猫と、
それを許す島の様子が感じられました。