唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

雑草について書かれた本を読みました。~吉本由美「みちくさの名前。雑草図鑑」、多田多恵子・大作晃一「美しき小さな雑草の花図鑑」

自然破壊が叫ばれているのはずいぶん前からですが、

さすがに外を歩いているとき、草の一本も目に入らないというのは

なかなか特殊な環境ではないかと思います。

とはいえ、その名前や植生を知っているかと言えばそれも微妙な話。

 

よく見るあの草、草むしりのときに抜きにくい雑草、

小さい花がかわいいあれ。

そういったところがせいぜいで、

名前を知らないものの方がずっと多いのですが、

草の名前とか、鳥の名前とか・・・

そういうことを知っていると、なんだか楽しい。

そんな楽しさを教えてくれる本が、こちら。

みちくさの名前。 雑草図鑑

関東のいろんな場所を散歩しながら、

著者が植物について教わっていく本です。

 もともと、「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載されていたそうで、

今でも記事が見られます。

ほぼ日刊イトイ新聞 - みちくさの名前。

 

「花の名前を知ってることや、魚の名前を知っていることを、

人に知らせる機会なんか、なかなかありません。

知っていることが、知られにくいというのがいいなあと思うのです。」

 という言葉が、印象に残りました。

 

 そして、雑草の花部分に注目したのがこちら。

美しき小さな雑草の花図鑑 史上最高に美しい雑草の花図鑑。雑草はこんなにも美しい!

黄色、白、赤、青と色ごとに分けて紹介された花、

指先どころか爪の先ほどの大きさもない花が

こんなに美しいものなのか! と驚きました。

私は目に写してはいても、観察してはいなかったのだなあ。

と反省したくなりました。

葛の花の甘い匂いや、アザミの花のやわらかさととげの痛さなど、

忘れていたことがふっと意識にのぼってくるような本でした。