唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

あったかもしれないものの本を読みました。~原研哉「デザインのデザイン」、穂村弘・パンタグラフ「パラレルワールド御土産帳」

漫画や小説では、

ときどきキャラクターや物語の初期設定が載っているものがあります。

 私は以前から、そういうものが好きでした。

 

たぶん、最初に意識したのは

和月伸宏の「るろうに剣心」だったと思います。

このキャラのモデルにしたのは誰か、デザインは何を参考にしたか、

最初はこういう設定だったけど、こんな風に変わっていった、

ということを説明してくれていたのですが、

どうしてそれがおもしろかったかといえば、

 「あったかもしれない」世界を

想像させてくれたからなのかもしれません。

 

本編とはまた別に、初期設定のままで作られたものがあったら

それはどういうものだったのか、と。

なので、今日はそんな「あったかもしれない」ものを

思わせる本を紹介します。

 

デザインのデザイン

デザインとはどういうことなのか、

デザインする、ということは何をすることなのかについて

様々な具体例から説明している本です。

 

この本の「あったかもしれないもの」は、愛知万博についてです。

作者はグラフィックデザイナーで、

多くの分野でのデザインを行っているのですが、

愛知万博の初期プロモーションにも関わっていたそうです。

広告として配られたグッズや、行われる予定だった会場についてなどが

ずいぶん詳しく書かれていて、あの「愛・地球博」とは違った万博が

あったかもしれないのだな、と思いました。

 

パラレルワールド御土産帳

雑誌「日経パソコン」でも、結構長く表紙に使われていたので、

見覚えがある人もいるのではないでしょうか。

アーティスト集団パンタグラフが作ったその作品は、

「4倍速鉛筆削り」や、

正方形のブロックで作られた桜「モザクラ」、

データの入ったボールを引き伸ばしてCDを作る「ディスク作成機」

等々、今のところ実際には存在しないもの。

でも、この世界がちょっと違った進化をしていたら、

あったかもしれないもの。

歌人穂村弘の紹介文も楽しく、

この世界とは違う進化を遂げた世界を垣間見た気分になりました。