年を越すとき、ジャンプをすると決めていたときがありました。
重力に囚われるのは、それはもうしかたないこと。
だから飛び上がっているときに、数秒間だけでも
解放されているような気になったのかもしれません。
今日は、ジャンプが印象に残る本を紹介します。
季節は夏、舞台は東京。
井の頭公園でたまたま出会った彼らは、
海に向けて神田川沿いを歩きます。
出会いながら、別れながら、川の流れのように。
そして、飛びます。
ジャンプした時は永遠になります。
最後のページを読んだときに、
飛び上がった瞬間が切り取られたように思ったのですが、
物理的にそんな浮遊した瞬間を切り取ったのが、こちら。
重力を無視するというテーマで、彼女は跳びます。
歩道で、トンネルで、駅のホームで。
階段で、河原で、台湾で。
飛び上がってから飛び降りるまでの、浮遊した瞬間を狙って、
シャッターを切ります。
普通に立っているときと、ジャンプしている時の表情の違いに
驚いたのが、こちら。
各地のサラリーマンを正面から撮った写真と、
彼らが飛び上がった写真。
名刺を持つ手と、仕事について思うところを書かれた文。
スーツで仕事をすることが日常なら、
スーツでジャンプするのは非日常。
日常と非日常の境目をたどるような本でした。