日記をつけることは、自分のそばに、
自分とは少しだけちがう自分がいることを感じることなのだ。
私的な日記、
公表された日記、
兄弟で書いた日記や、日記に書かれることや文体、
父親が書いた日記を見る子供に、
日記から生まれる作品・・・
いろんな人の書いた日記を紹介しながら、
日記ってどういうものなのか、
どんなふうにつけるものなのか、ということが見えてくる本です。
「少なくとも、五分の四くらいは、本当です」
という、著者の身の回りでおこった出来事。
一日の中から何を取り出して、どう表現するかという
日記を書く才能、というのもあるのかもしれないと思いました。
この本では、暑い日について
「ひょいひょい暑い日」「むらむら暑い日」「せつに暑い日」など
表現していたところが、とりわけ印象に残りました。
意識していなかったことをことばにする、使い分けるおもしろさ。
そしてこちらも。
著者が出会った偶然について、夢について。
30年にわたり手帳に記録されていた出来事が、本になりました。