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唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

金魚の本を読みました。

人ではないもの、生きていないものを生き物の形にしたりするのは

最近始まったものでもありませんが、この本もその1つでしょうか。

好きなサイトで紹介されていて、ずいぶん前から気になっていたのです。

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (講談社文芸文庫)

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (講談社文芸文庫)

 

「金魚はおさかなの中でも、何時も燃えているようなおさかななのよ。

からだの中まで真紅なのよ」

「何故そんなに、さかなのくせに燃えなければならないんだ」

「燃えているから、おじさまに好かれているんじゃないの」

 

老小説家の「おじさま」と赤い金魚と少女の狭間を行き来する

「あたい」が織りなす交流なのですが、お魚と人にしては

ちょっとなまめかしくて、人の男女だとするとちょっと幻想的で、

不思議な浮遊感がありました。

「おじさま」に安心しきっている「あたい」は、ブラック・ジャックを信頼する

ピノコに似た雰囲気があって、胸苦しい甘さを感じました。

 

で、金魚といえば・・・

こちらも、また読み応えたっぷりでした。

きんぎょ-kingyo- 新装版

きんぎょ-kingyo- 新装版

 

金魚のグラビアや、金魚が金魚として成り立つまでの歴史、

食器や絵や着物や、あちこちに使われている金魚の紹介に、

岡本かの子の「金魚繚乱」。

出目金やらんちゅうを見て、水中で輝くうろこやひらひらと揺れる尾を見て、

金魚は人によって作られた、

「かわいらしい異形」「愛でられるつくりもの」なのだとしみじみ思いました。

 

で、作り物+金魚といえば・・・

金魚ノ歌

金魚ノ歌

 

こちらは著者の作品を撮った写真集。

 樹脂の中を泳ぐ、絵の具の金魚には

生きていないものなのに、本物の動きを感じることができました。

いつか写真ではない、実物を見たいものです・・・