唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

箱が出てくる本を読みました~小西七重「箱覧会」、吉田篤弘「おやすみ、東京」、阿刀田高「アラビアンナイトを楽しむために」

小西七重「箱覧会」 大切なものをとっておく箱。 箱を作る箱屋。 誰かに送りたくなる箱。 マッチ箱。 開けたらそのときの思い出がわきあがる箱。 いろんな箱を紹介するこの本は、 私の思い出もかきおこします。 小学校のときに使っていた、丈夫な緑のお道具…

茶について書かれた本を読みました。~いしいしんじ「且坐喫茶」、池澤春菜「はじめましての中国茶」、青木幸子「茶柱倶楽部」

これは血だ。農茶とは、みどりの血じゃないか。 日々、赤い血にまみれていた戦国の武将たちは、 みどりの血、光の血を欲し、「和」を求めていった。 それは、ただ安寧を、長閑さを欲するのとはちがう、 命がけの「和」だったのではないだろうか。 いしいしん…

給水塔について描かれた本を読みました。~比留間幹「給水塔 Beyond The Water Tower」、オオタマサオ「TOKYO WATER TOWER」、恩田陸「象と耳鳴り」

ようやく新居にインターネットがつながり、 ブログを再開できるようになりました^^ これからもよろしくお願いします。 さて、令和はじめてのブログは 団地などでときどき見かける給水塔についてです。 吉田篤弘の「台所のラジオ」にあった、 「あそこに、…

お知らせです

突然ですが、引っ越すことになりました。 新居の環境が整うまで、しばらくブログ更新を止めさせていただきます~。 再開した日には、また閲覧などお願い致します!

南方熊楠が登場するミステリーを読みました。~東郷隆「名探偵クマグスの冒険」、鳥飼否宇「異界」

南方熊楠。 1867年生まれの、和歌山が生んだ博物学の巨星と言われています。 記念館のHPによれば、 東京大学予備門中退後、19歳から約14年間、 アメリカ、イギリスなどへ海外遊学。 さまざまな言語の文献を使いこなし、国内外で多くの論文を発表した。 …

岡上淑子の、「フォトコラージュ 沈黙の奇跡」展に行きました。

Twitterで見かけて興味を持ち、東京都庭園美術館で行われている 「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」展を見にいきました。 岡上淑子全作品 この本は、作者が在住する高知県で 2018年に行われた展示「はるかな旅」の図録でもあります。 1950年…

ヒグチユウコ「CIRCUS」展に行きました。~糸井重里「思えば、孤独は美しい。」についても。

絵画や彫刻、切り絵など、 細部までできあがっている作品を見てうっとりするような、 自然と笑顔になるような気持ちをなんと呼ぶのでしょう。 陶酔、というものなのかはわかりませんが、 この人の作品を見ていると、そんな気持ちになります。 ヒグチユウコの…

夢についての本を読みました。 ~久住昌之「夢蔵―Dream Collection」、川田絢音「空中楼閣 夢のノート」

長崎駅に図書館が隣接していました。 ルビーは時間がたてばオパールになるものでした。 6本足の猫のような生き物と並んで歩いていました。 これらは私の見た夢に出てきたものですが、 夢の中では何が出てきても不思議には思わないことがほとんどです。 行っ…

フィンランドについて書かれた本を読みました。~稲垣美晴「フィンランド語は猫の言葉」、森下圭子/武井義明「フィンランドのおじさんになる方法。」リトヴァ・コヴァライネン/サンニ・セッポ 「フィンランド・森の精霊と旅をする Tree People」

稲垣美晴「フィンランド語は猫の言葉」 今から40年以上前、1970年代末のころ。 現在よりもずっと、フィンランドが遠い国であったころ。 1人の芸大生が、そこに留学した・・・。 私はこの本を、黒田龍之助の書いたものから知りました。 まさに「すばらし…

写真について説明する本を読みました。~大竹昭子編「この写真がすごい」、赤瀬川原平「鵜の目鷹の目」

大竹昭子「この写真がすごい」 プロの写真家もアマチュアも、発表された媒体も関係なく選ばれた 「ちょっと気になる」写真。 ただきれいだけじゃない、繰り返し見たくなる、どこか不思議な写真。 そのどこに惹かれるのか、編者が短い文章にしています。 この…

島についての本を読みました(国内編)。~菅野彰「雨が降っても、生ビール」、赤瀬川原平「島の時間 九州・沖縄 旅の始まり」、岩合光昭「島の猫」

そもそも日本全体が島国であるわけですが、 そのなかでも当然大きさの違いはあり、それぞれの特色もあります。 場所によっては外国よりも遠い、国内の島。 今日は島について、書かれた本を紹介します。 菅野彰「雨が降っても、生ビール」 6000人の人が住…

猫が出てくる怪談を読みました。~ポー「黒猫/モルグ街の殺人」、黒木あるじ・我妻俊樹他「猫怪談」、TONO「猫で語る怪異」

ほとんど音も立てずに動く。すばやい。 思わぬところから出てくる。 人の近くにいるのに、人とは違うものを見ているような気がする。 だから、猫はホラー作品とも相性がいいのだと思います。 私にとってのそのはじまりは、やはりポーの黒猫でしょうか。 動物…

江戸が舞台のミステリ小説を読みました。宮部みゆき「初ものがたり」、半七捕物帳傑作選「読んで、半七!」、都筑道夫「なめくじ長屋捕物さわぎ」

現代社会でのミステリ小説も好きですが、 特有の背景をもつものも、また違うおもしろさがあると思います。 その時代や、場所だからできるトリックがあったり、 価値観や決着のつけかたが違っていたり。 なので、今回は江戸時代が舞台のミステリーを紹介しま…

wagashi asobi について書かれた本を読みました。~うめ(小沢高広/妹尾朝子)「おもたせしました。」、BMFTことばラボ「ふわとろ SIZZLE WORD 「おいしい」言葉の使い方」

東急池上線、長原駅から歩いてほど近いところにあるのが、 wagashi asobiのアトリエです。 wagashi-asobi.com ここで売っているお菓子は、絞りこまれた2種類。 ドライフルーツの羊羹と、ハーブの落雁です。 羊羹も落雁も、私にとっては 出されたら食べるけど…

雑草について書かれた本を読みました。~吉本由美「みちくさの名前。雑草図鑑」、多田多恵子・大作晃一「美しき小さな雑草の花図鑑」

自然破壊が叫ばれているのはずいぶん前からですが、 さすがに外を歩いているとき、草の一本も目に入らないというのは なかなか特殊な環境ではないかと思います。 とはいえ、その名前や植生を知っているかと言えばそれも微妙な話。 よく見るあの草、草むしり…

単位について書かれた本を読みました。~米澤敬「はかりきれない世界の単位」、世界単位認定協会「新しい単位」

エラ・フランシス・サンダース「翻訳できない世界のことば」 の、 新刊広告からこの本を知りました。 同じシリーズになっているんですね~。 ここで紹介されているのは、 50の「近代化とともに使われなくなった、人間味あふれる」単位。 たとえば髭秒、は1秒…

ユリイカ2018年10月号「図鑑の世界」を読みました。

青土社 ||ユリイカ:ユリイカ2018年10月号 特集=図鑑の世界 もともとこの雑誌は好きで、よく読んでいたのですが 今回は特に読み応えがありました。 あの図鑑ができるまでにはこういう過程があったのか、 こんな目的で作られていたのか、こんな工夫があった…

「MINIATURE LIFE展 ~田中達也 見立ての世界~」を見にいきました。

www.youtube.com9月23日(日)まで、日本橋高島屋で 「MINIATURE LIFE展 ~田中達也 見立ての世界~」 が行われています! 上記のムービーに使われているジオラマも展示されていて、 いろんな角度から見てきました。 この方の作品の中では、ブロッコリーがサバ…

ビールがおいしそうな本を読みました。~西澤保彦「麦酒の家の冒険」、恩田陸「酩酊混乱紀行」

ばーっと汗をかいて、熱くてのどがかわいて、 疲れているときのビールはいいですよね。 炭酸の刺激も、あの苦味もひときわおいしく感じられる。 グラスが冷えていればもっといい。 今日はそんなおいしさを実感できる本を紹介します。 大学の友人4人が、迷い…

「デザインあ」の本を読みました。~岡崎智弘「デザインあ 解散! の解」、「デザインあ 解散! の散」

www.miraikan.jst.go.jp 日本科学未来館で10月18日まで行われている 「デザインあ」展を見に行きました。 ここではお弁当に入った梅干しの気持ちを知ることも、 デッサンをしてみることも、歯車となって回りながら通路を進むことも、 四方を囲むスクリーンに…

靴について書かれた本を読みました。~ジョン・ピーコック「Shoes」、えすとえむ「IPPO」、園田ゆり「あしあと探偵」

立って歩けるようにもなれば、 それは靴を履くこととほとんど同じ意味でありました。 これまで履いてきた何十足を思い出すような、 靴について書かれた本を紹介します。 この本、ジョン・ピーコックの「Shoes」では、 3000年以上前のサンダルから現代の…

ますむらひろしの本を読みました。~「 ATAGOAL×HOKUSAI」、「ゴッホ型猫の目時計」、吉本ばなな「ばななブレイク」

現在、両国駅近くにあるすみだ北斎美術館では 8月26日(日)まで「ますむらひろしの北斎展」が行われています。 この人の漫画を小学生の時知ってから、 もう10年以上読みつづけているので嬉しく、 私も会場を行ったり来たりしながらじっくりと楽しみました。 …

あったかもしれないものの本を読みました。~原研哉「デザインのデザイン」、穂村弘・パンタグラフ「パラレルワールド御土産帳」

漫画や小説では、 ときどきキャラクターや物語の初期設定が載っているものがあります。 私は以前から、そういうものが好きでした。 たぶん、最初に意識したのは 和月伸宏の「るろうに剣心」だったと思います。 このキャラのモデルにしたのは誰か、デザインは…

写実画・細密画について書かれた本を読みました。~月刊美術編集部「写実画のすごい世界」、宮部みゆき「ステップファザー・ステップ」

写真のようにリアルな作品を、絵画という形で見せる。 それが写実画です。 とはいえ、定義は様々あるようで 写実絵画を専門に収集している、ホキ美術館のHPによれば 「写実絵画とは物がそこに在る(存在する)ということを描くことを通して しっかり確かめよ…

インドについて書かれた本を読みました。~松岡宏大・野瀬奈津子「持ち帰りたいインド」、「タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる」、U-zhaan「ムンバイなう インドで僕はつぶやいた」

私がインドをはじめて意識したのは、椎名誠のエッセイででした。 たしか本文に、 車に乗ったときに窓から入る風が、 ドライヤーを吹きつけられているようだ と書かれていて、それが印象に残っています。 子供心に、熱風を感じました。 そんなインドで作られ…

カレーについて書かれた本を読みました。~阿川佐和子など「アンソロジー カレーライス!」、カラスヤサトシ「カラスヤサトシの日本びっくりカレー」、清水義範「12皿の特別料理」

鉄腕DASHで、企画「俺たちのDASHカレー」がはじまったとき、 私もカレーを食べていました。 何をどう入れても大概の場合どうにかなるものが、カレー。 学校でも、家庭でも、カレーと無関係に過ごしてきた人は 少ないんじゃないかと思うくらいです。 なので、…

アメリカでの日常について書かれた本を読みました。~近藤聡乃「ニューヨークで考え中」、ユペチカ「サトコとナダ」

起きてご飯を食べてお仕事してちょっと好きなことをして その他もろもろもして眠る、日常。 もちろんそれは世界中で行われているものだけど、場所が違えば またいろんなところが変わってくるのだと思います。 今回は、アメリカでの日常を描いている漫画を紹…

セーラー服について書かれた本を読みました。~森伸之「私学制服手帖 エレガント篇」、酒井順子「着ればわかる!」

文京区にある「弥生美術館・竹久夢二美術館」では、 6月24日(日)まで、「セーラー服と女学生」展が行われています。 中村佑介のポスターが印象的なこの展示では、 多くのイラストや雑誌、実物などの資料で、 セーラー服の魅力を教えてくれました。 それにち…

手紙に関わる本を読みました。~吉田篤弘「遠くの街に犬の吠える」、藤井咲子「おじいちゃんの封筒」、久保田沙耶「漂流郵便局 届け先のわからない手紙、預かります」

世に「偶然」と称するものは多々あります。 しかし、ぼくとしては、あのときのあの出会いだけに「偶然」を使いたい。 でなければ、これほど沢山の手紙を書きつづけてきた理由が わかりません。 ぱあっと、情景が浮かぶ本でした。 たとえば、桃を切る感触、 …

くらやみについて書かれている本を読みました。~村上春樹「騎士団長殺し」、茂木健一郎withダイアログ・イン・ザ・ダーク「まっくらな中での対話」

「光の99,965%を吸収する物質」というものを、ネットで見かけました。 ペンタブラックと名づけられたそれは、ほとんど光を反射しないので、 物があるというよりも、 ただ切り取られた暗闇があるようでした。 それがとても印象に残ったので、 今日は「くらや…