唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

昆虫についての本を読みました。~西田賢司「ミラクル昆虫ワールド コスタリカ」、栗林慧「アリの目日記」

新しい発見をするたびに、情報は多様に変化していく。

秘密を解き明かすたびに、これまでのことが違っていた

ことに気づかされる。

だから、これまでに学んでいたことの上に学ぶのである。

 

ミラクル昆虫ワールド コスタリカ

ミラクル昆虫ワールド コスタリカ

 

著者は、未知の昆虫を探して研究を行う

「探検昆虫学者」として

中米コスタリカの森で研究を行っている人です。

 

この本は、そんなコスタリカで生きている

昆虫を紹介する写真集なのですが、これがまあ・・・すごい。

日本では見たことも、想像もしないような形や大きさ、生態や姿。

なにがどうしてそうなった、という不思議な気分は、これが

センス・オブ・ワンダーというものなのでしょうか。

 

www.1101.com

 

で、こちらは日本での写真です。

アリの目 日記

アリの目 日記

 

アリの視点、つまり地上3ミリほどの高さから世界は。

タンポポの綿毛が見上げるほど大きく、

抜け殻の中からみる向こう側が奇妙にぼやけて、

霜柱は氷河になる。

それでも空は同じように青くて、背景は鮮明で、

だんだん大きいと小さいの感覚が曖昧になっていきました。

 

 

きのこについての本を読みました。

きのこって、いいですね。

食べておいしいのはもちろん、じっくり見るとフォトジェニックで、

作り物のような感じもします。

 

とくに、スーパーではほとんど見ないようなきのこなら、尚更です。

 

少女系きのこ図鑑

少女系きのこ図鑑

 

 この本は、著者が卒業製作として作ったものがもとになっているそうです。

やわらかな色で描かれたきのこと、そこに寄り添う少女。

少女ときのこ、というか少女がきのこ。

きのこをモデルにした傘やスカートは、実際にあるのではないかと思いました。

 

光るキノコと夜の森

光るキノコと夜の森

 

夜に光る生き物といえば、ホタルがまずあげられますが

光るきのこも、思ったよりたくさんの種類があるものです。

 

ブナの木に群生するツキヨタケ、やんばるのホシノヒカリタケ、

れんこんのような、穴が開いているかたちがおもしろいエナシラッシタケ・・・

でも、写真と実際に見るのでは違いがあるようで・・・

写真が良いほど、実際に目で見たときの光はどのようなものなのだろうと思います。

 

世界の美しいきのこ

世界の美しいきのこ

 

 

世界各国の、きのこのフォトジェニックさを感じられます。

どうしてこんなかたちなのだろう、という不思議さと、

そこはかとない不気味さ。

色で言えば、ベニヒガサの赤、ドクツルタケの白、タマゴタケの黄色。

形で言えば、砂糖菓子のようなシロホウライタケや、ぶわっと傘が広がるハナビラタケ・・・

 

きのこの世界も奥が深い。

いずれ、きのこ狩りにも挑戦してみたいものです。

 

鳥についての本を読みました。

北風も冷たくなってきたこのごろ、

もうすぐ2017年になると気づけば

毎度のことながら1年は早いものだと思います。

 

そういえば来年は酉年、今回は鳥についての本を紹介します。

 

太郎さんとカラス

太郎さんとカラス

 

私はときどき、この黒い鳥をじっと見つめる。

いつか、自分の魂を太陽のもとに運びかえしてくれる生きもの。

わが窮極の友である。

 

これは岡本太郎と、しばらく彼の身近にいたカラスの話を

写真と談話でつづった本ですが、

カラスと一緒に写っている写真はなんだかたのしそうで、

個人についてほとんど知らない私でも、

しがらみから解き放たれているような、という言葉は

こういう時に使うのか、と納得しました。

違う生き物であるけれど、だからこそ、どこかで

通じ合っているのではないかと思ってしまうほどです。

 

 

Niwatori―十二支 第十番 酉

Niwatori―十二支 第十番 酉

 

 表紙のような赤いとさかに白い羽のにわとりはもちろん。

羽が黒かったりまだらもようだったり、

目が青かったり赤かったり黄色かったり、

とさかが黒かったりと、

にわとりにも想像以上にいろんな種類がいるようです。

手のひらに収まるひよこは暖かいんだろう、

とさかはコリッとした歯ごたえがありそうだ、

あの鱗のような足や鋭い爪は爬虫類みたいだ、

生き物ってなんて綺麗なんだろう、と思いました。

 

それから土佐の特別天然記念物オナガドリは

尾羽が長く長くたなびいて

 こんな生き物が本当にいることに、不思議な気分になりました。

 

世界の美しい飛んでいる鳥

世界の美しい飛んでいる鳥

 

こちらは世界中から集められた、いろんな鳥の飛ぶ姿が見られます。

ホバリングしているハチドリ、ペンギンが水に飛び込む瞬間、

 孔雀が羽を広げるとき、求愛のダンス等々、

くちばしから羽の先まで、じっくり眺めたい写真集です。

金魚の本を読みました。

人ではないもの、生きていないものを生き物の形にしたりするのは

最近始まったものでもありませんが、この本もその1つでしょうか。

好きなサイトで紹介されていて、ずいぶん前から気になっていたのです。

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (講談社文芸文庫)

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (講談社文芸文庫)

 

「金魚はおさかなの中でも、何時も燃えているようなおさかななのよ。

からだの中まで真紅なのよ」

「何故そんなに、さかなのくせに燃えなければならないんだ」

「燃えているから、おじさまに好かれているんじゃないの」

 

老小説家の「おじさま」と赤い金魚と少女の狭間を行き来する

「あたい」が織りなす交流なのですが、お魚と人にしては

ちょっとなまめかしくて、人の男女だとするとちょっと幻想的で、

不思議な浮遊感がありました。

「おじさま」に安心しきっている「あたい」は、ブラック・ジャックを信頼する

ピノコに似た雰囲気があって、胸苦しい甘さを感じました。

 

で、金魚といえば・・・

こちらも、また読み応えたっぷりでした。

きんぎょ-kingyo- 新装版

きんぎょ-kingyo- 新装版

 

金魚のグラビアや、金魚が金魚として成り立つまでの歴史、

食器や絵や着物や、あちこちに使われている金魚の紹介に、

岡本かの子の「金魚繚乱」。

出目金やらんちゅうを見て、水中で輝くうろこやひらひらと揺れる尾を見て、

金魚は人によって作られた、

「かわいらしい異形」「愛でられるつくりもの」なのだとしみじみ思いました。

 

で、作り物+金魚といえば・・・

金魚ノ歌

金魚ノ歌

 

こちらは著者の作品を撮った写真集。

 樹脂の中を泳ぐ、絵の具の金魚には

生きていないものなのに、本物の動きを感じることができました。

いつか写真ではない、実物を見たいものです・・・

 

 

お酒についての本を読みました。

お酒をおいしく飲める、とは

舌が適度に鈍くなったということかもしれません。

そういえば、カレーも小さいころは甘口ですら十分辛かった。

さんまのワタは苦くて食べられなかった。

昔のことですが。

 

とはいえ、お酒にもいろいろ種類があるのは周知のところ。

バイト先でときどき飲んだときは、

赤ワインは渋くて白ワインはすっぱい、という印象でしたが

それは相性だとしみじみ思いました。

 

今日はお酒の楽しみ方を広げてくれる本を紹介します。

黄金の丘で君と転げまわりたいのだ

黄金の丘で君と転げまわりたいのだ

 

小説家・三浦しをんと出版社の方々が

ワインと食文化の研究者・岡元麻理恵から 

ワインを五感で感じるレッスンを受けて、飲んでは大いに語ります。

 あだ名をつけてみたり、目隠しをして飲んだり、絹のような舌触りを体感するために

実際に絹にさわりながら飲んだり。

味や香りを言葉にしてみることで、感覚が言葉にひっぱられていくことということが

興味深かったです。

専門家になる必要はないけれど、「ちょっとの知識」で楽しめることは

広がるということに、もっといろんなことを体験したいと思いました。

 

キリンビール大学 10周年記念本 ビールでごちそうさま!
 

 春夏秋冬、おいしいビール。

こちらはWeb上の仮想大学「キリンビール大学」から生まれた、

 ビールに合うおつまみのコミックレシピです。

ちょっと難しそうなものもあったけど、おいしいが良し。

 

そして、飲む量も大事ですね・・・!

酔って記憶をなくします (新潮文庫)

酔って記憶をなくします (新潮文庫)

 

こんなにたくさんの、文庫2冊分になるくらいの人が、

お酒に酔っては何かしらやらかしていたことに安心感をおぼえます。

 

 

ダリについての本を読みました。

国立新美術館では12月12日までダリ展開催中です!

 

仕事休みの平日に行ったのですが、やはりダリ人気はすごい・・・

しかし、ここで見ないでいつ見る! と、列に並んで、端から見てきました。

実物の絵は、想像以上に小さかったり大きかったり、

何がそこまでさせると言いたくなるくらい細かいところまで描き込まれていたり

地面が鏡のようであることにはじめて思い至ったりして、

本物を見る楽しさを久しぶりに感じました。

 

館内のライブラリーでも関連した本がおかれていたのですが、

ダリがデザインしたアクセサリーの展覧会

「ダリ 愛の宝飾 妻ガラに捧げる」という図録が面白かったです~

鉱物や宝石で作られているのに、豪華さだけではなく、

柔らかさや艶かしさのようなものを感じました。

 

これまで読んだもので、ダリについての本といえばこちら。

魔夜峰央の「ダリ的魔法術」

魔夜峰央の「ダリ的魔法術」

 

 作者は「パタリロ!」や「翔んで埼玉」で有名な魔夜峰央

絵本のような本で、有名な絵について短くも楽しく解釈してくれます。

 

そして伝記をぱらぱらめくって思いました。

女性との関係についてとか、周囲でおきた出来事や、

作り手の個人的なことにも興味が沸いてくるのはなぜなのか。

 

それは、作者の家族も恋愛も、思想も感情も、好きなものも嫌いなものも、

まわりの環境も、作者に関わるものすべてが、作品に結びついている

(と、読み取ってしまう)からなのかもしれません。

 

また、ダリ登場といえば、ドラマにもなったこちらが印象に残っています。

最後のレストラン 1 (BUNCH COMICS)

最後のレストラン 1 (BUNCH COMICS)

 

ダイエットについての本を読みました。

「私は努力しないで、やせたいのよ」

彼女は真顔で言った。虫がよすぎると私は思った。

ーなぜ?

「何もしないで、しあわせになりたいのよ」

ーしかし、何事も努力というものが・・・

「努力には”美”がない」

ー・・・・・・。

「努力して何かを得ても、当たり前でしょ。努力したんだから。それではしあわせにはなれない」

ーと、いうことは?

 「努力せずに得てこそ、しあわせなのよ」

 

 という部分が印象的だったのは、こちら。

やせれば美人 (新潮文庫)

やせれば美人 (新潮文庫)

 

これはノンフィクション作家である夫が、

妻の健康のためにもダイエットについていろいろと調べていく本なのですが、

思索を深める著者と感覚に生きる妻との会話が漫才のようです。

 

とはいえ、ダイエットの道は延々と続くもの。

自分で選んだ食事や生活習慣が今の体を作っているわけですから、

未来のために現在を変えていく必要があるのでしょうね。

しかし。何にせよ続けていくには、おもしろくないといけない。

やせる旅

やせる旅

 

 こちらは国内外を転がりめぐる、著者のダイエット旅行記です。

目指すは20キロの肉はがし。

 もともとANAの機内誌に連載されていたものだそうで、さっぱりと読めますが

内容は充実。 ときに耳が痛い「肥満格言」もついてます。

なかなか思いあたらない場所を体験しているので、

自分が行くときの参考になるかもしれません。

(10年くらい前の本なので、確認も忘れずに・・・)