唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

お酒についての本を読みました。

お酒をおいしく飲める、とは

舌が適度に鈍くなったということかもしれません。

そういえば、カレーも小さいころは甘口ですら十分辛かった。

さんまのワタは苦くて食べられなかった。

昔のことですが。

 

とはいえ、お酒にもいろいろ種類があるのは周知のところ。

バイト先でときどき飲んだときは、

赤ワインは渋くて白ワインはすっぱい、という印象でしたが

それは相性だとしみじみ思いました。

 

今日はお酒の楽しみ方を広げてくれる本を紹介します。

黄金の丘で君と転げまわりたいのだ

黄金の丘で君と転げまわりたいのだ

 

小説家・三浦しをんと出版社の方々が

ワインと食文化の研究者・岡元麻理恵から 

ワインを五感で感じるレッスンを受けて、飲んでは大いに語ります。

 あだ名をつけてみたり、目隠しをして飲んだり、絹のような舌触りを体感するために

実際に絹にさわりながら飲んだり。

味や香りを言葉にしてみることで、感覚が言葉にひっぱられていくことということが

興味深かったです。

専門家になる必要はないけれど、「ちょっとの知識」で楽しめることは

広がるということに、もっといろんなことを体験したいと思いました。

 

キリンビール大学 10周年記念本 ビールでごちそうさま!
 

 春夏秋冬、おいしいビール。

こちらはWeb上の仮想大学「キリンビール大学」から生まれた、

 ビールに合うおつまみのコミックレシピです。

ちょっと難しそうなものもあったけど、おいしいが良し。

 

そして、飲む量も大事ですね・・・!

酔って記憶をなくします (新潮文庫)

酔って記憶をなくします (新潮文庫)

 

こんなにたくさんの、文庫2冊分になるくらいの人が、

お酒に酔っては何かしらやらかしていたことに安心感をおぼえます。

 

 

ダリについての本を読みました。

国立新美術館では12月12日までダリ展開催中です!

 

仕事休みの平日に行ったのですが、やはりダリ人気はすごい・・・

しかし、ここで見ないでいつ見る! と、列に並んで、端から見てきました。

実物の絵は、想像以上に小さかったり大きかったり、

何がそこまでさせると言いたくなるくらい細かいところまで描き込まれていたり

地面が鏡のようであることにはじめて思い至ったりして、

本物を見る楽しさを久しぶりに感じました。

 

館内のライブラリーでも関連した本がおかれていたのですが、

ダリがデザインしたアクセサリーの展覧会

「ダリ 愛の宝飾 妻ガラに捧げる」という図録が面白かったです~

鉱物や宝石で作られているのに、豪華さだけではなく、

柔らかさや艶かしさのようなものを感じました。

 

これまで読んだもので、ダリについての本といえばこちら。

魔夜峰央の「ダリ的魔法術」

魔夜峰央の「ダリ的魔法術」

 

 作者は「パタリロ!」や「翔んで埼玉」で有名な魔夜峰央

絵本のような本で、有名な絵について短くも楽しく解釈してくれます。

 

そして伝記をぱらぱらめくって思いました。

女性との関係についてとか、周囲でおきた出来事や、

作り手の個人的なことにも興味が沸いてくるのはなぜなのか。

 

それは、作者の家族も恋愛も、思想も感情も、好きなものも嫌いなものも、

まわりの環境も、作者に関わるものすべてが、作品に結びついている

(と、読み取ってしまう)からなのかもしれません。

 

また、ダリ登場といえば、ドラマにもなったこちらが印象に残っています。

最後のレストラン 1 (BUNCH COMICS)

最後のレストラン 1 (BUNCH COMICS)

 

ダイエットについての本を読みました。

「私は努力しないで、やせたいのよ」

彼女は真顔で言った。虫がよすぎると私は思った。

ーなぜ?

「何もしないで、しあわせになりたいのよ」

ーしかし、何事も努力というものが・・・

「努力には”美”がない」

ー・・・・・・。

「努力して何かを得ても、当たり前でしょ。努力したんだから。それではしあわせにはなれない」

ーと、いうことは?

 「努力せずに得てこそ、しあわせなのよ」

 

 という部分が印象的だったのは、こちら。

やせれば美人 (新潮文庫)

やせれば美人 (新潮文庫)

 

これはノンフィクション作家である夫が、

妻の健康のためにもダイエットについていろいろと調べていく本なのですが、

思索を深める著者と感覚に生きる妻との会話が漫才のようです。

 

とはいえ、ダイエットの道は延々と続くもの。

自分で選んだ食事や生活習慣が今の体を作っているわけですから、

未来のために現在を変えていく必要があるのでしょうね。

しかし。何にせよ続けていくには、おもしろくないといけない。

やせる旅

やせる旅

 

 こちらは国内外を転がりめぐる、著者のダイエット旅行記です。

目指すは20キロの肉はがし。

 もともとANAの機内誌に連載されていたものだそうで、さっぱりと読めますが

内容は充実。 ときに耳が痛い「肥満格言」もついてます。

なかなか思いあたらない場所を体験しているので、

自分が行くときの参考になるかもしれません。

(10年くらい前の本なので、確認も忘れずに・・・)

 

建物についての本を読みました。~坂口恭平「0円ハウス」、イシワタフミアキ「トタニズム」

建売の建物は、その場所や周りに馴染んでみなければ、

なかなか区別がつきにくいことがあります。

何度か同じ住宅街を通って、迷わず目的地につけるようになったら、

そこに目が馴染んだということかもしれません。

今回紹介する本には、その場所にその時間にしかなかった建物が

収録されています。

ひとつひとつに間違えようがないほどの特徴、個性があり、

読み終わった時にはそれまでと違った目になっているはず。

 

印象的なのは、表紙の青。

ブルーシートの青色。

 つまり、そういうものでできた建物についての、

著者の卒業研究として書かれた本です。

0円ハウス

0円ハウス

 

 テントやビニールシート、段ボールなどいろんなもので作られた

路上の家は、ひとつとして同じものがなく

しようと思えば跡形もなくどこかに行ってしまうことができる。

あるいは、どこかにやってしまうことが。

目をそらすのではなく、近づくことで生まれた稀有な本です。

そんな「0円ハウス」での生活は、「TOKYO 0円ハウス 0円生活」に

詳しく書いてあります。

ほぼ日刊イトイ新聞 -担当編集者は知っている。

 

また、建物の細かいところを見るならこれ。

トタニズム

トタニズム

 

 屋根や、塀や、車庫や、建物のあちこちに使われているトタンについて。

ざらしになって白茶けた、日常の風景として存在するトタンの写真集です。

読んで感じる、この気持ちが侘び寂びなのでしょうか。さびついているだけに。

 

細かなものの本を読みました。

細かい細工品が好きです。

工芸、手芸、工作、美術、ジャンルは様々ありますが、

ためすすがめつ、その細かさと素敵さに息をつき、そこにこめられた

時間を思います。

作られてから今に至るまでの時間、私が知るまでの時間。

アンティーク・レース―16世紀~18世紀 富と権力の象徴

アンティーク・レース―16世紀~18世紀 富と権力の象徴

 

この本では、作者がコレクションしているレースを紹介しているのですが、

1ミリの中に10ステッチをいれ」たり、「0.5ミリの間に4段つく」ったりする

細かさに、息をのみました。

糸を紡いだ人、編みつづけた人、縫った人、大切に扱ってきた人。

今では名前もわからない、いろんな人々が関わっているのだと思いました。

珪藻美術館 Diatoms Art Museum

珪藻美術館 Diatoms Art Museum

 

 手作業の細かさでは、こちらも負けていません。

 珪藻というのは、「単細胞の微小な藻類」。

プランクトンもこの中に含まれるそうです。

多くは0.1ミリにも満たないこれらの珪藻の標本を使って絵を作り、

顕微鏡越しに観察する・・・って、考えた人がすごい!

そして、実際に行う人もまたすごい。

案外歴史は長く、1800年代から作られていたんだそうです。

自然が作った幾何学的な形を組み合わせ、

一つの作品を作り上げていく過程は難しくもおもしろそう。

作者のHP「ミクロワールドサービス」でも、いろんな写真が紹介されていて

楽しいです^^

 

 

 

海が印象的な本を読みました。

海は、いいですね・・・

私の勤務場所が海の近くにあるので、窓から外を見ると

船がゆっくり横切っていったり

風の強い日には波がちらちら白く見えたりします。

怖いけど、好き。

で、海について印象に残る本といえば、まずはこれ。

 

漂流物

漂流物

 

少年が浜辺に打ち上げられた、古いカメラを見つけます。

中のフィルムを現像してみると、そこに写っていたものは・・・

驚くべき海の世界と細かな描き込み、そして大いなる時間の流れ。

そんなものまで感じさせる、字のない絵本です。

 

 食べる方向なら、これ。

深海魚のレシピ: 釣って、拾って、食ってみた

深海魚のレシピ: 釣って、拾って、食ってみた

 

タイトルどおりの内容で、著者があちこちで深海魚を釣っては

なるべくおいしく食べる・・・というものなのですが、一匹一匹の魚から

「生き物の面白さ」がひしひしと伝わってきます。

見たことのない生き物を間近で観察して、解体して、おいしさを探し当てる過程が

宝探しをしているような気分になります。

そして、私たちも気づかない間に深海魚を食べているようですよ・・・!

 

 海の漫画なら、これ。

海獣の子供 1 (IKKI COMIX)

海獣の子供 1 (IKKI COMIX)

 

 「リトル・フォレスト」も、「魔女」も、今連載中の「ディザインズ」も、

一コマ一コマ大事に読みたい漫画です。

猫についての本を読みました。

貰ひ来し猫の子二匹「空」と「雨」

                    岩合光昭+石寒太「猫の恋」

 今日は一日雨となり、ふと上記の句を思い出しました。

 

猫の恋

猫の恋

 

岩合光昭は、TV番組「世界ネコ歩き」 でも有名な動物写真家です。

素敵な猫の写真と、猫の句がお互いのよさを引き立てあっていました。

あのほわほわした毛の感じや、手のひらからするりと逃げる背中が、

自分のそばにあるように感じます。

 

小説で、猫と言えば「吾輩は猫である」ですが、ここから派生した作品も読みどころ。

 東京の家で溺れたはずの吾輩、ふと意識を取り戻したらそこは上海だった。

自分はどうしてここにいるのか、考えつつも野良の日々を暮らしていた吾輩は、

東京での飼い主である苦沙弥先生が殺害されたと知る・・・。

夏目漱石本人が描いたんじゃないかと思わせる文体と、

あちこちから上海にやってきた猫たちの推理が楽しい一冊です。