唐桃の読んだもの。

読んできた本や漫画を、徒然に紹介していきます。

海が印象的な本を読みました。

海は、いいですね・・・

私の勤務場所が海の近くにあるので、窓から外を見ると

船がゆっくり横切っていったり

風の強い日には波がちらちら白く見えたりします。

怖いけど、好き。

で、海について印象に残る本といえば、まずはこれ。

 

漂流物

漂流物

 

少年が浜辺に打ち上げられた、古いカメラを見つけます。

中のフィルムを現像してみると、そこに写っていたものは・・・

驚くべき海の世界と細かな描き込み、そして大いなる時間の流れ。

そんなものまで感じさせる、字のない絵本です。

 

 食べる方向なら、これ。

深海魚のレシピ: 釣って、拾って、食ってみた

深海魚のレシピ: 釣って、拾って、食ってみた

 

タイトルどおりの内容で、著者があちこちで深海魚を釣っては

なるべくおいしく食べる・・・というものなのですが、一匹一匹の魚から

「生き物の面白さ」がひしひしと伝わってきます。

見たことのない生き物を間近で観察して、解体して、おいしさを探し当てる過程が

宝探しをしているような気分になります。

そして、私たちも気づかない間に深海魚を食べているようですよ・・・!

 

 海の漫画なら、これ。

海獣の子供 1 (IKKI COMIX)

海獣の子供 1 (IKKI COMIX)

 

 「リトル・フォレスト」も、「魔女」も、今連載中の「ディザインズ」も、

一コマ一コマ大事に読みたい漫画です。

猫についての本を読みました。

貰ひ来し猫の子二匹「空」と「雨」

                    岩合光昭+石寒太「猫の恋」

 今日は一日雨となり、ふと上記の句を思い出しました。

 

猫の恋

猫の恋

 

岩合光昭は、TV番組「世界ネコ歩き」 でも有名な動物写真家です。

素敵な猫の写真と、猫の句がお互いのよさを引き立てあっていました。

あのほわほわした毛の感じや、手のひらからするりと逃げる背中が、

自分のそばにあるように感じます。

 

小説で、猫と言えば「吾輩は猫である」ですが、ここから派生した作品も読みどころ。

 東京の家で溺れたはずの吾輩、ふと意識を取り戻したらそこは上海だった。

自分はどうしてここにいるのか、考えつつも野良の日々を暮らしていた吾輩は、

東京での飼い主である苦沙弥先生が殺害されたと知る・・・。

夏目漱石本人が描いたんじゃないかと思わせる文体と、

あちこちから上海にやってきた猫たちの推理が楽しい一冊です。

 

義足についての本を読みました。

私には経験上わかっていることがあった。スティーブ・ジョブスも言うように「人々は、ほんとうに自分たちが欲しいものを知らない。」多くの人は目の前に提示されて、初めて「これが欲しかったんだ!」と声を上げる。まだだれもほんとうに「かっこいい義足」「美しい義足」に接したことがない。それが登場しさえすれば、何かが変化する。

山中俊治・著「カーボンアスリート 美しい義足に描く夢」より)

 

 パラリンピックも今日でおしまいですね。あと10年くらいしたら、生身の人間以上の性能を持った義足が実用化されるのではないかと楽しみです。

 そして義足も道具の一つなのだから、性能はもちろん外観も重要。眼鏡だって靴だっていろんなデザインがあるのに、思えば、この本を読むまで義足のデザインや美しさについて考えたことがありませんでした。

 

カーボン・アスリート 美しい義足に描く夢

カーボン・アスリート 美しい義足に描く夢

 

  著者はプロダクトデザイナーで、Suicaなどのカードを読み取れる改札機のシステムを作った人でもあります。この本にはそんな著者と、大学の学生たちが一緒に作りはじめた「美しい義足」の記録が書かれています。

 人に似せる方向に行くのも一つの手段なのですが、人形の綺麗さが人のそれとは違うように、作られた物にはまた違う美しさがあると思います。うーん、言葉が見つからない。

 

検索をしているうちに、こういう本も見つけました。

切断ヴィーナス

切断ヴィーナス

 

 これも近いうちに、読みたい。